日常
みんなは学校があるとき、何時に起きるだろうか。
余裕を持って起きる人もいれば、ギリギリの人もいるだろう。
俺はギリギリ派だ。朝早く起きてやることもないので、その時間が無駄にしか思えない。
というか、そんなに朝早く起きれない。
だけど、そんな思いどおりの時間に起きれることなんて稀で、高一の夏、俺はまだ走って学校に向かう日々を送っていた。
走るのは得意で、まだ遅刻したことは無いが、校門前に立つ先生達にとって、遅刻ギリギリに走ってくる俺は朝の恒例行事と化しているだろう。
その事もあってか、クラスでは少し変わり者扱いされてはいるが、まあ仲良くやっている。
突然ではあるが、俺はどちらかと言うと陽キャだと思う。
またもや突然だが、高校生は青春を謳歌する、これは俺の目標だ。
中学生は色々あって学校には行けなかったので、高校生くらいは青春を謳歌したい。
青春と言っても、別に恋愛はしなくてもいい。
でも普通の青春というものを体験したいと思っている。
今のところ俺的には青春を謳歌できていると思う。
中学は学校に行けていないと言ったが、勉強は、小学生の時に中学生の範囲は終わらせていたので問題はなかった。
じゃあ高校に行くための内心は?という疑問が湧くかもしれない。
でも俺は事情が事情なので内心と出席日数は免除されることになった。
何があったのかは触れないで欲しい。
俺のクラスメイトは賑やかだと思う。
例えばこのクラスのリーダー的存在、藤堂 勇司はその代表的例だ。
彼の周りには人が集まる。
彼は人一倍正義感というものが強く、誰かが困っている時に迷いなく助けに行ける。
容姿端麗、文武両道、成績優秀。
ここまで揃った人はそういないだろう。
例えば彼の親友、辰巳 拓海、彼は体型が良い、柔道部だ。
それなりに強いとも聞いている。勉強は出来ないが。
例えば秋山 理樹、こいつはクラスのムードメーカーのひとりで俺にもよく話しかけてくる。
他にも賑やかな人は沢山いるが、今は省略されてもらおう。
今日は夏休み前日、修了式が終わり、あとは夏休みの注意事項を聞いて解散と言ったところだ。
「以上が夏休み中の注意事項だ。楽しみなのは分かるが、羽目は外しすぎるなよ?」
そういうのは担任の齋藤 優希先生だ。
彼女は美人でクラスのお姉さん的存在だ。
教師2年目の新米教師だが、ノリも良く、俺らのことをよく考えてくれている。
ちなみに俺は入学前からの知り合いだ。母の友達の娘だそうで、小学校の頃、つまり先生が大学生のころによく遊んでもらっていた。
俺にとってもお姉さんだ。
「あ、そうだ。駿河、お前は終礼後に職員室に来いよ。」
「お前何やったんだよー。」
「どうしたの?」
「ついにやらかした?」
「いつもギリギリ来るからじゃね?」
など色々な人からからかいや心当たりがないか聞いてくる生徒がいたが、
「はい静かに。ではおわ……なんだ!」
ここで事件が起きる。
突然開けていた窓と扉が閉まり、床が幾何学的模様の光を発しだしたのだ。
騒がしくなるクラス。
みんなはパニック状態だ。
そんな時でも先生は
「落ち着いて!扉は開くか?近くの人、確認してくれ!」
さすがだと思う。
このパニックの状況下ですぐに判断して行動するとは。
「わかった、やってみる。……ううん、ダメ、開かない、」
「俺がやる。ふっ!……ダメだ。ビクともしねえ。どうなってんだこりゃ。」
力だけが自慢の辰巳さえも開けない。
いよいよもうダメだという時に、変化は起きた。
幾何学的模様の光がより一層強くなったのだ。
誰もが目を瞑らなければならないほどに。
そして瞼の奥から来る刺激が無くなったところで目を開くと、そこには。




