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きみのこと天使と呼んで差し支えなければおやすみメールください

作者: quiet



お金さえあれば働かないのにな 今日も大きな氷を削る



運命の音が大好き一生がもっと短くなればいいのに



生きるとはそれでも生きるということであなたの伸びた爪を噛んでる



早く死にたくて泣いてる ゴミ箱のバスタオルごめん優しかったのに



隕石が落ちて綺麗だ 隣には誰がいたかも忘れるくらい



ごめんって言ってみたのに隕石が落ちてこなくて寂しかったです。



夜明けとは光の病さようならなんて言っては許されていた



兎には兎の命 呼吸器をつけずに眠る小さなこども



弟は月のほとりで笑ってる それは七十番目の奇跡



でろでろのココア さいごに笑ったら負けだと思って今笑っておく



菜の花が一つだけ咲く それだけで十分だからそこまでの旅



春明けて小さな愛は小さくて花籠の中でしかキスできない



あの子にも内臓詰まっていますから、好きになってるきみはばかです。



寂しさをさびしさと知るための生 最後だけれどどうもありがとう



空気清浄機の夜にせいじょうなぼくら悲しいことなんてない



空気清浄機の夜に降る雨の濡れてゆく音 イヤホンが消す



藍色の藍色らしさ 真空に孤独な星の大合唱を



眠らない夜だと思う子供にはわからないってあなたが言った



この好きは軽い好きだよ息をするみたいにどこにでもある好きだよ



ブルーベリー ブルーと言わなきゃわからない 青春という言葉もそうさ



終わらない休み 街かど白猫がにゃあと鳴いたらきみが好きかも



明日できることをやろうよ今日やろう! そして世界は一斉に息



溺れてる末裔どんな青色もいずれ銀河に変わってしまう



溺れてる銀河これまで生きてきた理由を一つ歌ってみせて



運命じゃないから愛だと信じてた星はどんどん小さくなって



大好きな金縛りだよ動けないままでやさしく終わる夢だよ



マグネットつかないなんで涙すらメタルじゃなくて無意味みたいだ


ぼろぼろと夜が剥がれていちめんにいずれあなたになってくかけら



桃色の鐘が響いて僕たちは生きているのが苦手になった



夢機械 春でも夜は冷たくて井戸に落ちてく山椒魚と



花あかり生きてることが罪だった立ち止まったらここで終わるね



天高く運命まさか誰よりも優しいなんて思いはしない



かわいい系お酒を眺めて立ち去った 明日が来るって思っていたから



青燕 おなかのなかを空っぽにしてます誰かたすけてください



春用のコートのボタン留めながら茶色の語源を思いついてる



花束は頭のなかにあればいい 逃げるとこってどこにもないの



プロペラがなくても春は巻き起こる愛し愛され要らないお皿



カップめん食べて寝ている借りてきたDVDに青春させて



「何が楽しくて生きてるの」って聞く人は楽しく生きてるらしい



日差された階段今じゃないけれどあなたに出会うような気がした



青春の春とれば青始めから終わりになってゆくまでぜんぶ



靴紐がほどけたかもね 赤い月だったら上を見ててもいいか



夕闇も遠く離れて虫が鳴く お前死ねって言ってんのかよ



わたしこの星で生きれる気がしないララララ歌は夜空に消えて



ただ空しかったな命に価値なんてないとわかって走り出すまで



書き留めた文字の最後はいつも。些細な終わりはたくさんあって。



ひらかれた光の森に葉が一つ揺れ落ちるとき影にはあなた



神の夢必要なとき必要な分だけをみて紙の夢へと



写真家じゃなくてよかった きみといる時の記録をあきらめ切れて



にきび薬30過ぎても飲みたくて昔のことはもう忘れたよ



生きるとか死ぬとか軽く言ってみる もっと高くに跳んでみたくて



青春と呼ぶべき夜の空の色 寂しさばかり答えにされて



薄明かり ほとんど闇と言い換えてそろそろ次のわたしになりたい



もう二度と覚めないような眠り方しても静かに汗はながれて



仄明い眠りわたしはいつだって世界に生きて生き続けてる



神なんて信じていない人の言うGod Bless You まだ生きてるよ



喜びは恥ずかしくない 好きなもの全部救いにしたっていいや



笑っても笑っても春 永遠がないってことを忘れさせてよ



雨の降らない日も水は生活の底を流れる川かよお前



千円のハンドクリームべたべたと塗っても塗っても一人は寂しい



ベッドから遠い灯りのスイッチを消せば出てくる野性動物



もう寝るのなんてすっかり馬鹿のすることだマットの下に押し花



心にも色がきみ赤わたし青 信号機とかなくなっちゃえよ



シャボン玉と鳩のちがいがわからない 一瞬だけでもいいと思った



部屋の灯をずっと点けてる息継ぎをしなきゃ沈んでないと信じる



夢境お願いだから好きな人どうか真実好きでいてよね



どうですか社会の役に立ちますよ自分のことを諦めてるから



恋をしたいそれで人生変わるって信じてるから 人間苦手



きみのこと天使と呼んで差し支えなければおやすみメールください



はれつするふーせんシャボン正午の陽 わーって叫んで 生きていました



バスばかり停まる町です オムライス好きなあなたにおかえりをいう



空をとぶこぶたわたしに似ていれば家を建てない四匹目かな



月の土しゃぶって帰るアロエあじ 夏だか春だかわかんない空



そんなことする気はさらさらありません 砂に満ちてる時計を抱いて



安らかなこどもの数えた子羊がたったひとりでそこにすわって



まかせなさい 月にいったら6倍の重さで愛をあたえてあげる



ティーカップ畑に屋根を植えてから音信不通のとなりの少女



初めから花束だった花たちと温室効果ガスの温室



砂浜を歩きまわって足跡は足跡だらけなんだよこれは



取り返しつかないことが多すぎてとにかく髪をのばした四月



全身と全霊かけて愛してて死後取り憑いてくれないあなた



生活をしてはいけない時間帯にしか生活できないこわい



コンビニの飯は食わないもうだれか助けてくれっていいたいけれど



果てしないタルトデザート密国の王子お花は食べるものです



ヨーグルト冷蔵庫に入れわすれてただいじょうぶだよ人は死なない



暮れてゆく日の陽の光ひらいたらひらいたままのてのひらだった



マジすべて苦しみだらけ生活と生活同士で対義語みたい



コンビニがあってよかったコンビニがなければなにも手に入らない



糧を得ることは元々命懸け 伝統的なやってられなさ



6時間残って作業した対価よりもさっきの水のが高い



なんの価値もないゴミだから無駄になるものすらないと安心させて



前髪とあとなにもかもうまくいかないような日に牛乳こぼす



過労っていうよりこれはなにもかもどうでもよくて投げ出している



Shining Days 無駄だよ無駄だって言っているのに砂浜あるく



空なんかあんな遠くてばかみたい 手だけ握って そこにいないで



白曇る森の奥だけまだ冬の時間にアイスクリームやわらか



生活の時間まちがっていますか? 通勤中に掃除機の音



蓬莱の枝がほんとにほしかったたぶん戦う準備をしてた



ひまわりのような笑顔で向日葵のように夜には下を見ていた



春じゃない季節に花が咲くように(あとはあなたが知ってるとおり)



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― 新着の感想 ―
[良い点] 積み木とお茶と婚約と、からquiet様のことを知りました。あなた様の短歌が本当に好きです。静寂のなかにちりりとした諦めと、仄かな光が見えるような歌の数々を大変すばらしく思います。これからも…
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