少年の過去
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小学校生活はそれなりに充実していた。勉強の成績も悪くはなかった。運動もそこそこできた。中学校生活これがダメだった。まず何を思ったか同じ小学校出の女に告白をした。結果は失敗。まぁここまではよくある話だ。だからそこまで気にしてなかった。
しかしある時こんなことを言われた。
『山神くんって女の子だったらモテたのにね。』
確かに顔は中性的だがそんなこと今まで言われたことがなかった。そして心に傷をおってしまった。仮にも告白した女の子に言われると結構くるものがあった。だから現実逃避をした。別に引きこもりになった訳ではない。ただ2次元嵌まりアニメを見まくった。その中にこんなものがあった。生徒会物。所謂、生徒会に入って皆から認められ彼女ができたり、ハーレムを作ったりするあれだ。
そして生徒会物に嵌まった僕は、生徒会に入りたいと思い始めた。
現生徒会役員には僕が告白した女の子もいたので一石二鳥だと思った。しかし、僕が告白してから結構時間が経っていたため彼氏ができていた。別に彼氏ができていたことについては何にも思わなかったが、その彼氏も次の生徒会選挙に出るらしいと噂が出始めていた。
この時の僕は子供だったのだ。この彼氏に対抗心を燃やし生徒会選挙で勝負をしてやると思った。そして僕は立候補した。
すると担任の先生がこれまで積極的に何かをしてこなかった、僕が急に立候補をしたことに驚いたのだろう。立候補した理由を聞いてきた。
僕は困った。ここでアニメの影響とか嫉妬でとか言うと取り消しになるのかもと思ったからだ。そのためここは無難にと思い
『いやー今二年生じゃないですか?だから受験とかも気にして来ちゃって。だから内申点でも稼ごうかなって思いまして』
と言った。そしたら先生は、頭を押さえながら
『はぁ、山神。そういうのじゃないだろ生徒会は。そんな不純なことを考えながら立候補するやつなんていないぞ?』
と言ってきた。あー確かにわざわざ言うことじゃなかったと後悔した。だから愛想笑いをして、切り抜けた。
次の日その担任から演説用の原稿用紙を貰った。400文字の普通のやつを二枚。家に持ち帰り一枚と半分ほど書き、文のチェックのため担任に提出した。すると殆ど赤で訂正された文が返ってきた。正直ムカついたが自分の案を組み込みながら提出した。すると、また赤で訂正が入っていた。他の立候補者に聞いてみたがそこまで訂正は入っていなかったらしい。ふざけるな単純にそう思ったが、それでもめげずに訂正を繰り返した。
ある日、急に呼び出されくじをひかされた。何でも放送演説の順番を決めるくじだったらしい。引いた番号は1つまり一番最初ということらしい。放送演説には条件があり本番で読む内容とは全く別の物を読むことらしい。まぁ今から考えれば余裕かと思ったがその日の昼食時間にするらしく僕は、今かららしい。頭が真っ白になった。
だが他の奴らも同じ条件と思い周りの奴らを見た。すると彼らの手には原稿用紙があった。先生から配られていたので前に書いた物を配られているのだろう。僕は当然書いていない。やっていないものは仕方がない。なら考えればいいだけのことと思い頭をフル回転させながら考えた。そしてマイクの前に立ち喋り始めた。
『こんにちは。今回立候補した山神 蓮です。僕は今まで積極的に何かに取り組んだことが無く何かに挑戦したくて立候補しました。僕は特別何か優れている訳ではありません。しかし頑張っていくつもりです。頑張ると言っても別に他の立候補した方より上手く行くとは思いません。
何故か?簡単です僕は優れている訳ではないからです。だからこそ凡人の気持ちはよく分かります。だからなんだ?って話ですよね。だけどもし今の学校が少しでも理不尽だと思うなら僕に一票を入れてください。もし今回会長になれた暁には僕は学校を変えて見せると約束しましょう。ご清聴ありがとうございました。』
フル回転させたせいなのだろう。体が熱く頭が痛い。それでも言い切ったことに満足感と充実感をおぼえている。その後自分の教室に行き昼食を摂った。午後の授業はあまり内容が入ってこなかった。