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(6)恐怖は終わらない

石島は戸崎健吾のアパートを出ると腕時計で時間を確認した。


「まだ時間はあるな…しかし、どうしたもんか」


そう呟いて石島は空を見上げる。暗く、重たい雲が立ちこめていた。


一連の自殺が全て妄想によるものだとして、果たしてそんなことがあり得るのだろうか。だとすれば滝内美穂の妄想が、恐怖が、彼女の日記を見た他の人間に伝染したことになる。そんな恐ろしいことが果たしてあり得るのだろうか。


可能性としては彼らが一様に同じ精神疾患を患っていた場合。『みぽみんの日記』がきっかけになり妄想障害が見られるようになったとも考えられる。そうなると、彼らの年齢が10代や20代の比較的若い世代に集中していたことや4月から新生活を始めた事によるストレスなども関係しているかも知れない。


「なるほど、その辺から調べてみるとよさそうだ」


ある程度の方向性が決まったので、石島は再び歩き始めた。雲の切れ間から青空が顔を覗かせている。石島はポケットからスマートフォンを取り出し、ブラウザを開く。


『みぽみんの日記』


もう何度も見た文字だ。何か関係があるかも知れないと思い始めたときから、石島自身何度もこの日記に目を通している。何かヒントになる事が書いてあるかも知れないと思ったのだ。今ではこの日記の作者である滝内美穂、また、同じ理由で自殺した人たちの気持ちを推し量れるまでになっていた。


「怖かったろうなぁ。妄想とはいえ、本人にとっちゃ現実みたいなもんだろうから」


石島は呟く。


と、その時だった。後ろに何者かの気配を感じた。


「誰だ!」


石島は勢いよく振り返ったがそこには人ひとりいなかった。まるで最初から誰もいなかったかのように。


「気のせいか……?」


こんな日記を読んでいたから気が立っていたのだろうか、そう思った。スマートフォンをポケットに入れ、歩き出す。しかし、しばらくすると後ろからついてくる足音が確かに聞こえてきた。後ろに誰かいる。石島はそう思い、今度はゆっくり振り返ったが、相変わらずそこには誰もいなかった。


「嘘だろ………」


石島の心臓は早鐘のように鳴っていた。




「おい見竹、石島はどうした?」


「石島さんですか?そういえば………まだ来ていませんね」


石島の同僚に聞かれ、見竹は石島の机を見る。


「昨日、体調が悪そうだったので、風邪かも知れないですね」

「あいつが?珍しいこともあるもんだな」


石島の同僚は目を丸くする。見竹も首をひねる。石島は仕事熱心な性格で、一つの山が片付いた後も遅くまで署に残って資料を確認するなど、一部で歩く刑事ドラマと呼ばれるほどの人物だった。もちろん無断欠勤などはしたことがない。


「まあ、さすがの石島さんでも風邪ぐらいは引くんだろうけど……」


思えば戸崎健吾のアパートで別れてから、どうも様子がおかしかった。元気がないというか、変にキョロキョロと落ち着きがなかった。


「石島さん独身だって言ってたし、今度様子を見に行ってみようかな」


見竹はそう呟く。



数日後、石島誠治47歳男性が、自宅のマンションで首をつっているのが部下とそのマンションの管理人によって発見された。

最終回です。

最近思うんですが、なんだかんだ言って幽霊とかより人間の方が怖いですよね。そういう生きた人間に対する恐怖を書きたくてこの作品を作ろうと思い立ったわけです。まあ、結局妄想だったんですけど…。


なんにせよ、皆さんも気をつけて下さいね。


いつ、だれに見られてるか分かりませんから。



※一話目にも書きましたがこれは再投稿になります。

僕が短編の意味を勘違いしてまして、かなり読みにくい感じになってました。

本当に申し訳ないです。。。

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