Act.0060.5:忠告しておくことがある……
「あっ。コックピットが特殊なんで、パイロットスーツがないなら、服を脱いで裸で乗ってね。服着ていると挟まっちゃうから」
世代にそう言われ、今一つ意味が分からなかったが、フォーは素直にうなずいた。
「――ハダカ!?」
それを聞いた、いちず、そして双葉とミカに、フォーはすごい勢いで取り囲まれる。
かと思うと、そのまま世代から離れさせられ、部屋の隅に連れて行かれてしまう。
「な、なにね?」
何事と驚いているフォーをよそに、取り囲んだ3人がそれぞれ顔を見合わせてからうなずきあう。
まるで、言葉がなくとも通じ合うものを確認しているかのようだった。
「フォー。忠告しておくことがある……」
いちずが神妙な顔で口を開く。
「世代の作る魔生機甲はな……」
「魔生機甲は?」
「すっっっっっごく……気持ちいいから、気をつけろ」
「…………」
「…………」
「……この一大事に、なに言ってるね? 想定外ね」
フォーは、がっくりと肩を落としてため息く吐く。
なにか大事なことかと思い身構えてみたら、なんともくだらない話だった。
「違うのよ、フォーちゃん! 油断すると、大変なことになるんだよ!」
双葉も両こぶしに力を込めて訴えてきた。
その横で、ミカがウンウンとうなずく。
「気をしっかり持たないと、魔生機甲から降りられなくなるぞ」
「意味わからないね。だいたい、フォーはあんたたちみたいな、オボコ娘と違うね。多少の刺激はなんでもない。想定内ね」
「多少じゃなくてだな……」
「もう行くね」
止めようとする3人をしり目に、フォーは部屋をさっさと出てしまう。
(まったく、なに言ってるね……想定外ね)
やれやれと首をふる。
――だが、彼女は後から3人の言葉を深く理解することになる。
この時はまさか、魔生機甲の中で「あんなこと」をしてしまうとは夢にも思わなかったのだった。




