Act.0028.5話:くぱぁも?
「ねえ、ちょっとミカ」
「ん? なにようか?」
今日から双葉と同じように住み込むミカは、バッグの荷物を整理しながら双葉の方に振りむいた。
双葉は相部屋となる寝室のベッドに腰かけながら、妙に神妙な顔を見せる。
これから2人で寝食を共にし、さらに場合によってはパイロットだけではなく、世代のことについてもライバル関係となるかもしれない。
だから、双葉はミカにその覚悟を聞いておきたかった。
「あなたも、世代の奴隷になったんだよね」
「うむ。しかし、拙子はできるならば、忠臣という立場を望んでおる。まあ、どちらにしてもこの身は、主殿に捧げたつもりだ」
「ならさ、世代が『じっくり裸を見せて』と言ったらどうする?」
双葉は、昼間に言われたことを思いだして、少しだけ頬を染めながら話した。
それに対して、ミカは超然と答えた。
「主殿はそのようなこと言わぬと思うが、もちろん言うとおりにするだろう」
「は、恥ずかしくないの?」
「恥ずかしいが、主殿が望まれるならば、それが我が望みでもある」
「な、なかなか覚悟してるわね、ミカ。……じゃあ、もし、『裸のままM字開脚しろ』って言われたら?」
「むろん、行う」
「そ、それを目の前で観察されたら!?」
「なすがままに」
「さらに『自分でくぱぁしろ』って言われたら!?」
「御心のままに」
「――変態! ミカの変態!!」
「……自分で聞いておきながら、酷い言いようだな」
「だっ、だって、そんなの変態じゃない! 恥ずかしくて死んじゃうでしょ!」
「……ならば、双葉は命令されたら従わぬのか?」
「……え?」
双葉が固まってしまう。
「双葉は奴隷だが、従わぬわけだな。つまり、拙子だけが主殿の従順たる奴隷……」
「し、従うわよ! 言われたとおりにするわよ!」
「ほう。M字開脚もか?」
「も、もちろん!」
「くぱぁも?」
「……あ、あたりまえ……よ……」
「…………」
「…………」
「……変態」
「いやあああぁぁぁぁぁ!!!!!」
ミカほど割りきれぬ、双葉であった。




