プロローグ
ふおおおおおおお!6ポイントも入っていたよおおおおおお!
続きを書こう。うん。
・プロローグ
決断は常に残酷だ。
人は何かを成す為ならば、何かを諦めなければならない。
もう少し考えれば、もっといい未来が描けたかもしれない。
もう少し時間があれば、もっと賢い選択が出来たのかもしれない。
でも、それに気づくのはいつだって終った後。
猶予があれば、判断材料があれば、何か決め手があればと都合のいい夢を見る。
万全な状態で選択を迫られることは無い。
いつも間が悪いときに、それはやってくる。
後悔なんていくらでもあるし、泣き言だって言いたいよ。
どんなに敬虔染みた言葉を並べ立てようとも、今あることを変えることは叶わない。
わかっている。わかっているよ。
状況が許してくれないのは百も承知だって知っているよ。
今がそれを許してくれないのだって、何度も何度も涙を流して知った。
そんな中でも、志だけは自分の意思でありたいと願い。
そのために。
現実から目を逸らさずに、淡い思いを振り切らなければならない。
ガイイイイイィィィ――――――ィン!!
激しい激突音が夜空に響き渡る。
私の深紅の十字刀と彼の蒼い槍がぶつかる。
交錯した武器の向こう側には、蒼い瞳の彼がいる。
強い意志のある眼。
見詰め合えるほど近くにいるのに、私たち二人の間には手を取り合うことは許されない。
そう言わんばかりに、剣と槍が軋む音がする。
お互い憎い訳ではなく、情慕の思いすらあるのに……やめよう。
甘い考えを捨て去るように、腹に蹴りを入れる。
予想していなかったのだろう。
驚いた表情を浮かべ、校舎の屋上に向かって落ちていく。
数百メートル離れた上空から落ちたら、怪我くらいでは済まない。
でも、これで終るわけが無い。
私達は魔女っ子だ。
魔法で出来た衣装を身に包む私達は、この程度では怪我のうちにも入らない。
下を見下ろすと、僅かだが立ち上がろうとしている彼が見える。
やっぱり、この程度で終わるわけがない。
そんなのわかっているよ。知っているよ。
彼のかわいいところ、真面目なところ、一緒に過ごして知った癖、好きな食べ物、教えてもらったこと、それから…
いろいろ思い出す。この世界に来てからの思い出はほとんど彼との日々だった。
きれいでかわいい彼と私との思い出。
何事に対しても、一途で直向な姿。
なのに。
……どうして彼なのよ?他に幾らだって人なんているじゃない!
ふざけないでよ。
よりによって、どうして彼にしたのよ。
「――――――!!」
嘆きと憎しみで声にならない叫びを上げる。
向かう先は一直線。
滑空して向かう、彼の元へ。
勢い良く屋上に突撃した衝撃で、彼もろとも吹っ飛ぶ。
終わりにしなくちゃ。
倒れている彼。
こちらを見つめる瞳。
私に笑い掛けてくれた顔。
自身が手にしている紅色の十字刀を掲げる。
何千回。何万回行った動作。
標的を外すことなんて無い。
動けない相手を外すことなんて無い。
頭で考えるよりも、身体に動きは染み付いている。
私がどう思っていようが、この動作を間違えることは無い。
目の前の相手に向かって、
「ごめんなさい――」
振り下ろした。