表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/327

第八話 夜が明けて

「何してる?」

俺の言葉を聞かずアリアは鎧を脱ぎ終わり、更にその下の服みたいなもの

を脱ごうとしている。

「おい、止めろ。」


急に動きが止まり、こっちを見て

「だって、こうするしかないじゃないですか……」

涙声で言った。いや、そんな事言われても知らんが。



要約するとヨーグとこんな会話がされたらしい。


 勇者殿のために何でもしろ。むしろ身を捧げろ

 ↓

 そんなこと出来るわけない

 ↓

 これは命令だ、拒否したら騎士団が辛い立場になるぞ

 ↓

 でも、それはいくらなんでも……

 ↓

 勇者殿は国の英雄。それを断ると王やお前の家族の誇りに泥をぬる事になる


だそうだ。

面倒な事にしやがって……!

しかも部屋の中で王様どうこうの話をしていたのは聞いてないのかよ!?

あれ聞いたら何か企んでる事くらい分かるだろ!


「じゃあ適当にヤリましたとでも言えばいいだろ。」

「嘘の報告をするなんて騎士の風上にも置けません!」

バカか?バカなのか?


「俺は童貞だからやり方なぞ分からん。帰れ。」

「私も訓練に励んでいたため、しょ……と、殿方とそのような事は

していません!大丈夫です!」

頭が痛い、何が大丈夫なんだろうか?


泣きそうになるほど嫌なら大丈夫もクソもないだろ。

「分かった、分かったから帰れ。明日にでもウルムに言ってやるから。」

「……帰れません。逃亡するのも騎士の恥です!」

「何から逃げるんだよ!」

最後は怒鳴ってしまったが、もういやだコイツ。話が通じない。


「もういい、ベッドで寝ろ。俺はそこのソファーで寝る。」

「でも「いいか、妥協点だ。それ以上ボケた事いうならたたき出すぞ?」」

なるべく威圧感を出しながら言うと顔を青ざめさせながらコクコクと頷いた。

そこまで怖かったか。


とりあえず寝る前に風呂へ行こうとした時、ふとコイツの称号が気になった。

苦労させられたからその位いいだろうと覗いて吹き出しそうになった。


【脳みそまで筋肉】☆

LvUP時、【HP】【ATK】【DEF】の項目にボーナスが付きます。


明日から名前は脳筋でいいか。




朝、なかなかに爽やかではない朝。

なぜか?それは

「勇者殿、おはようございます!晴天ですね!こういう日は気分も

良いものです。乗馬でもしたい気分ですね!」

デケェんだよ声が……


もう少しゆっくり寝ていたかったのに大音量で起こされて

不機嫌にならないヤツはいないんじゃないか。

「おい脳筋、頼むから少し静かにしてくれ。」

「ノーキン?何ですかそれは?」

脳筋の意味が分からないのか。

「お前みたいなヤツの事だよ。」


キョトンとした顔をしている。

考え事をするのは苦手なのだろう。

ドアをノックする音が聞こえて開けると食事が届いた。

それを受け取ってテーブルに置いて

「さっさと食うぞ。」

と声を掛けた。


飯を食ってる間も

「ワタシミタイナ……ノーキン……ホメラレタ?ドウイウイミ?」

と、なぜか片言で呟き続ける姿は少し怖かった。


飯を食い終わって宿を出ようとしたら、

「謁見するのにお風呂に入らないなどありえません!」

との要望により入浴する事になった。


昨日入ったからいいものと思っていたが、そうでもないらしい。

風呂の中で俺は

”とりあえずは王宮に行ってから話をして、占い師とやらを訪れてから、

そうだ日常品も買わないと”

などと今日の予定を考えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ