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第二十三話 盗賊団

家の外に出ると

「よぉ、てめぇらが俺のかわい~い手下をいじめてくれたやつか?」

いかにも強そうな見た目のヤツが立っていた。


「その手下というのが荷物を勝手に盗もうとしたんじゃないですか!」

横から脳筋が言うが、

「いやいや、聞いたら森の前に馬を放っぽらかしてたって?

魔物に襲われたらマズイと思って助けようとしただけだぜ?」

なぜだろう?盗賊の方が正しい気がしてきた。

「くっ……正論を!」

お前もそう思ったか。学習するのは大事な事だぞ。


「その恩を仇で返すなんてちと酷ぇんじゃねぇか?」

「ですが、あなた達の正体はさっき聞きました。そんな方が善意だけで

そんな事をする訳ないですよね?」

いや、本当は善意なんて一切入ってないぞ?分かってるのか?


「まぁいいです。この村を開放しなさい。」

「開放?何言ってやがる。」

「用心棒をする代わりに好き放題しているそうじゃないですか。

それを止めろと言っているのです。」

初めてまともな事を言った。


「何を言うかと思えば……こいつらはなぁ俺らがいなかったらとっくに

死んでたんだよ。それを今まで生かしておいてやったんだから、

礼ぐらいしてくれてもいいだろ?おい!」

後の手下に声を掛ける

「ネアちゃん!?」

手下がネアに猿ぐつわをして縄で縛り担いでいた。


「どうして!」

一緒に飯を食ってたから家の中に居るもんだと思っていたが、

「揃いも揃って幼女趣味とは趣味が悪いな。」

「あぁ?」

とりあえずはこっちに注意を引き付けておかないと

危害が加えられる可能性がある。


「殺されてぇのかテメェ!」

「おい止めろ。あんた勇者なんだってな?」

手下が剣幕を起こすのを止めながら首領が喋る。

「それがどうした?」

「俺らと手を組まねぇか?酒に女に金、好きな時に好きなもんを

手に入れられるんだぜ!」

「興味ないな。」


喋りながら【見識】で数と位置を確認した。

”数は15、目の前にいる奴等の他に、

家の影に隠れている奴らが8か。”

「つれねぇなぁ……でもまぁそろそろ(・・・・)だぜ?」


「うぁ……これは、頭が……ゆう……しゃ殿……」

横をみると脳筋が辛そうな顔をしながら崩れていくのが見えた。

「正面切ってやるのは馬鹿がすることだろ?」

急に倒れた、時間で効くのが分かっていたってことは

魔法より薬の可能性が高いな。

さて、どうするか。


「あんたはまだ倒れないのかい?勇者さんよォ!ヒャハハハハ!」

【状態異常無効】があるから効かないんだよな。

「とりあえずは返してもらおう。」

「あん?」


返事を聞く気がなかったので手下の後ろに瞬時に移動して

ネアを奪いつつ裏拳を当てる。

「……!」

悲鳴にならない悲鳴を上げて飛んでいった。

よし破裂してない。死んでないだろ多分。

手加減が上手くなってきたのが少しだけ嬉しい。


「テ、テメェ!野郎共、殺しにかかれぇ!」

声を上げるが数と方向は分かっている。

「ギャ!」「アガ!」「グゲ!」


相手が何かをする前に軽く殴り、どんどん吹っ飛ばしていく。

「化け物がぁ!」

「お前みたいな人間でいるくらいなら化け物で構わんさ。」

最後に残った首領を少し強めに殴る。

これでしばらくは普通の生活すらキツくなるだろ。


全員を倒して担いでいたネアを下ろして猿ぐつわを外すと、

「アドルフが!」

……嫌な予感がする。


どうやらネアはアドルフに餌をやりに行ったところを捕まったようで

その際、手下にアドルフが殺されかけたらしい。

縄で縛られる前に回復用の魔石を投げたらしく、急いで見に行くと

かろうじてではあるが息がある状態だった。

「まったく……機転が効き過ぎるな。」

ネアの頭の良さに感心しながら、呪文を唱えた。


今のLvは5、呪文を言わずに済むスキル【詠唱不要】は

ユニークスキルのため、SP30必要。


「……キュア!」


嫌な予感は当たった。

呪文とはいえ恥ずかしいセリフを大勢の前で言わされた。

早急にLvを上げないと。

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