Prolog ~世界~
Prolog
神―それは天地を創造せし者なり
神―それは生を生み出した者なり
神―そしてそれは、闘争を生み出せし者なり
神によって作られたといわれる世界―ソールドリティア。かの地では、太古より、七つの国家が争いを続けてきた。
何故国家が生まれ、そして争うのか。それは、この地に伝わる伝承と、七本の『龍剣』―通称『七龍剣』に起因する。
まず、『七龍剣』だ。これは、神が死んだ時に、神が自身の能力を込めて世界に散らした物であり、それぞれに特殊な能力、即ち『神力』が宿っている。豊穣の力や、武芸の力、はたまた破壊の力、創造の力など、多種多様な力を持つ剣は生物を引き寄せ、剣を神そのものとして崇める集団が発生、それが発展し、国家となった。故に、求めるものはそれぞれに違う。
そして、伝承だ。これが、国々を争いへと導く最大要因となっている
その内容はこうだ。
~神の欠片全て集いし時、神は再臨し、無限の力を、欠片を持つ者に与えん~
神の欠片、即ち七龍剣が集うと、神が再臨し、神のごとき力が手に入る、という言い伝えだ。
これに、欲深い生物たちは反応し、神のごとき力を独占しようと、奪い合いをはじめ、それが国家規模の大規模な争いへと発展していった。それが、近代まで続いた『龍剣戦争』の起源だ。
しかし、長きにわたる戦争は国家を疲弊させ、国々の力を衰退させていった。
国家はそれぞれの国力復活のため、休戦協定を結ぶ。そして、つかの間の平和が、世界に舞い戻った。
それから20年。世界には変わらない平穏な日々が営まれている。
とある青年の旅は、そんな日常を非日常に変貌させる出来事から始まる事となった。