外伝 〇〇〇
二日連続で書けました。執筆時間がなくてとても残念です。
人生とは不思議なものだと思う。こんな私たちにまた子供ができるとは、思っていなかった。
正直、私たちは女神に見捨てられたと思った。あんな事をした私たちは見捨てられて当然だと思ってもいた。
「リーナ見てくれ元気な女子だ。」
旦那の嬉しそうな声に私も嬉しくなってしまった。この子はまるで、また幸せになろうと努力してもいいんだと天が授けてくれた命なのだと思えた。
女の子にはシャリアと名付けた。名前の由来はこの国にいた幸運を届ける女神の名前を使わせてもらった。有名な女神ではないので、たくさん同じ名前の子がいるわけではないが、全くいない訳でもない。
もちろん、罪を忘れたつもりはない。しかし、罪を背負いすぎるのもシャリアに失礼だと思った。
「シャリア!あまり離れてはいけないわ。」
私は私と旦那の手から離れたシャリアに声をかけた。シャリアが生まれてからもうすでに、3年も経っていた。この3年間が過ぎ去るのはとても早かったように思える。
ドンとシャリアが前を歩いていた人にぶつかっていた。前を見ずに興味の向くままに歩いていたシャリアはぶつかった勢いでそのまま倒れそうになったが、ぶつかった人が手を差し伸べて助けてくれた。
「お嬢さん、前を見ないで歩くのは危ないよ。パパやママのもとから離れてはダメだよ。」
私は急いでお礼を言うために駆け寄った。フードをかぶっていたので顔は良く見ることができなかったが、10代前後の男の子だということがわかった。
「すいません。ありがとうございます。」
少年は私の顔を見て、驚いたような顔をしたがぺこりと頭を下げた。
「いえ、大丈夫です。それよりも、この子の手は、離さないでやって下さい。」
再度ペコリと礼をした後、足早に去って行った。
私も頭を下げた後に地面に足をついてシャリアに声をかける。
「危ないと言ったでしょう?だから、今度から私たちのもとを離れてはいけないわ。」
ふと、さっきの少年の顔が思い浮かんだ。どこかで見たことがある思ったが、もしかすると、あの子なのかもしれない。そして、あの子が最後に言った言葉がストンと心の中に落ちた。
「そうね。今度は、離さないようにするわね。」
「どうかしたのかい?」
私は、私の一言に反応して聞いてくる旦那に何でもないとくびを振った。
そういえば、シャリアにも大きくなったら伝えなければならないと思った。シャリアにはとても素敵な5歳年上のお兄ちゃんがいることを。
「幸せになってね。…クト。」
「あぁ、ありがとう。母さん。」




