飛べ
短くてすいません
太陽が近い。ジリジリと僕の体を焼くような感覚に陥るが、それはただの錯覚で本音を言えば寒い。
上空に上がれば上がるほど寒くなるとはまた、数奇なものだとは思うが、それはそんなものだとエルドラドに言われれば、そんなものかと納得してしまう。
「エルドラド!そろそろ一度降りてくれ!魔力が少なくなってきた!」
体の中に内包する魔力の量が明らかに少なくなっていくのを感じ、後10分ほどで魔力は底をつくだろうと予測する。
魔法の制御をしながら、周りから魔力を吸収する事で、効率よくしてはいるが大した違いはない。なにより、召喚魔法という大きな魔法を使用しているのだ。人類トップクラスでも、こんな大魔法をいくつも使用すれば、5分ともたない。
『相解った。』
エルドラドが急降下する。ほぼ直角に降りて行くエルドラドのスピードはこの世界で出し得る最速とも言われている。僕が乗っているので、かなりセーブしているとは思うが。
エルドラドが地面にぶつかる寸前に一瞬で減速し、数ミリをゆっくりと降りる。
そして、僕の事をそっと地面へと降ろす。
『エリュクトよ。魔力が戻った時、また我を呼べ。ではな。』
エルドラドはそう言ってその場から姿を消した。普通の召喚では主人が魔法を解かない限り召喚獣はその場にとどまるが、エルドラドの場合は魔法を乗っ取る形で魔法を解いていく。僕はエルドラドの好意に甘えて力を貸してもらっているに過ぎないのだ。
僕は近くにあった木に登って周りを見渡す。
近くというほどではないが、歩いて2時間ほどの場所に町が見えた。
エルドラドも目立たぬように気を使ってくれたのだろう。
僕は近くの町へと全速力で駆けはじめた。




