エリュクトの目的
お久しぶりです。
加筆及び修正は終わっていませんが、余裕が出来たので投稿します。
「僕は、王というスキルを持っています。そのスキルの名称から、僕はこの国の王の命令で森へと捨てられました。」
エリュクトが、ゆっくりと語り出した。
それは、エリュクトの過去の物語で、エリュクトを作り上げてきた物語だ。
「僕は母と姉に拾われました。母は女神、姉はエルフです。それからは、暫く母と姉と共に森の中で暮らしていました。森の中には危険な魔物や魔獣もいましたが、僕には襲いかかるどころか、積極的に仲良くしてくるので特に問題はありませんでした。」
そう、森の中の暮らしは幸せだった。
母と姉に色々な事を学びながら過ごしていた日々を今も思い出す。
しかし、今の生活も楽しいと思える大切な時間だ。
共に旅をしていく中で、いつか別れてしまうとわかっていても、この時がいつまでも続けばいいと思うくらいには。
「僕が5歳になった頃、おじさんが、人間族の人なんですが…。森へとやって来て住み始めました。その人に剣を教わりました。そうやって過ごして来ていたのですが…。僕の8歳の誕生日に、母と姉から僕が捨て子である事を聞かされました。何故、捨てられたのかも。」
急に母と姉が僕に真面目な話をし始めた時は、何のドッキリかと思った。
それは、僕が母や姉と出会う前の話で、僕には記憶のない頃の物語だった。
「それから、二人は森を出て世界を見てくる事を勧めてきました。本当の両親は生きている事も聞きました。だから、僕は両親に会いたいのです。」
それが、僕の目的だ。
生んでくれてありがとうと伝えたい。
結果的には、権力に負けて捨てられるという事になってしまったが、それでも、僕が元気な姿を見せたい。
「エリュクト、話はわかったけど…。なんで、それを私達に?」
エルが、代表して僕に答える。
当然の疑問だと思う。
いつだって、話すタイミングも時間もあった。
しかし、今なのは、今でなければいけない気がしたからだ。
「みんなに、聞いて貰いたくなったんだ。いや、言わなきゃいけない気がした…からかな。」
それが何故かはわからない。
それでも、信用している仲間にくらいは、僕のスキルのことを知って欲しかった。




