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脱出開始!
間に合ったー!
僕はハイドの魔法を自分にかけていた。
この街に来てから、何度も使っている気がするが、あまり気にしないことにした。
「ママぁ…。」
僕が立つ牢の中には、泣いている女の子がいた。
「くそ!なんで壊れねぇんだよ!」
必死に金属製の格子を叩いている男の子がいた。
「大丈夫だから、お兄ちゃんを信じて。」
妹に何度も何度も大丈夫だと言い聞かせる少年がいた。
「もう、終わりよ…。私は売られるのね…。ふふ、ふふふ…ふふ、ふ。」
絶望の表情をしている少女がいた。
他にも沢山の子供達がいた。
とても、街だけで集められない人数な事から、外から連れてこられた者もいると思う。
総勢で、30名程度の子供達。
牢が他にも幾つかある事から、100名以上の子供達が捕まっているとわかる。
これだけの数の子供達の未来が僕とエルにかかっているのだと思えば、鼓動が早くなるのがわかる。
準備はほぼ完璧に終わっている。
後は、エルからの合図を待つだけだ。
それから、15分程度経っただろうか。
ドン!と大きな音が聞こえた。
予定よりも大きな音だが、エルの合図だろう。
僕はハイドの魔法を解いて、片手に持った剣で牢屋の鉄格子を切り裂いた。




