屋台
部屋割りは僕とフォーア、フィアとエル、フィリスとエリスになったらしい。
女性陣は部屋割りを毎日変えるなどと言っていたが。
「部屋で少し休んだら、街に出ようか?それとも、今日はこのまま部屋で1日過ごす?」
僕は部屋の前で皆に聞いてみた。
皆も興味深そうに色んなモノを見ていたし、屋台なんかを見て回るのも一興だろう。
「そうだね。部屋を確認したら、私は昼食を外で取りたいかな。門の前の一件もあったし、昼食を食べてないし。」
フィアが真っ先に答える。
確かに昼食を食べていないしと考えていると、皆からも賛成の声が上がった。
「わかった。じゃあ、部屋を確認し終わったら、ロビーで待ち合わせね。出来るだけ早く集まって行こうか。」
待ち合わせ場所を確認してから、皆がそれぞれの部屋に入る。
僕も部屋に入り、設備等の確認をする。
たまに、最初から壊れていて、修復代を請求されるコトがあるからだ。
「よし。特に問題ないかな。さて、フォーア。行こうか。」
僕はフォーアを連れ立って部屋を出る。
部屋には特に物を置いていない。
そもそも、手で持っているのは必要最低限な分だけで、他は全て僕の空間魔法の中に保存してある。
皆もそうだ。
僕とフォーアがロビーに着くと、もうすでに女性陣は集まっていた。
「ごめん。待たせたみたいだね。」
よく、女性は準備が遅いと言うが、うちの女性に関しては準備が早い。
「んーん!エリスもね、ちょっと前に来たばっかなんだよ。」
エリスの頭を梳くように撫でてから、僕は宿を出る。
先程、サイガさんと来た道が大通りだろうと当たりをつけて、街に繰り出した。
ズラリと並ぶお店。
奥の方には広場のような物もあり、そこには屋台がいくつもあった。
「さて、先ずは昼食かな。」
僕が歩き出すと皆も着いてくる。
「屋台か。何があるだろうね。」
とはいえ、今は時間的に微妙なため、あまり種類は無いだろうなと思いながら僕はいくつかの屋台に目をやる。
「あれ!串焼き食べたい!」
エリスが指差したところには、鳥の串焼きを焼いている屋台があった。
香ばしい香りがこちらまできていた。
「そうだね、あれも食べようか。」
僕達が屋台に近づくとお兄さんが勢い良くらっしゃい!と僕達に声をかけた。
「すいません。串焼きを6本いただけますか?」
下には、一本銅貨一枚と書いてあったため、銅貨を六枚取り出す。
「おう!今焼けるからちょっと待ってな。タレでいいか?つっても、タレしか今はねえんだけどな!」
豪快に笑う姿は、完全におっさんである。
「はい。それでお願いします。」
僕がお金を手渡すと、焼けた串焼きから順に渡してくれる。
先ずはエリスに渡し、幼い順に渡して行く。
僕は3番目だ。
串焼きにパクリとかぶりつくと、しっかりとした肉の旨みと甘しょっぱいタレのハーモニーが素晴らしい。
すぐに食べ終えた皆は、串を手にしたまま僕を見ていた。
「すいません。後、18本くらい貰えますか?」
美味しいので、3本くらいペロリといけるだろう。
「おう。美味えだろ?ウチだけの秘伝のタレだからな!」
僕達は計18本を受け取ると広場の端のベンチに腰掛ける。
「美味しいねー。エルクト兄ちゃん。」
ニコニコとエリスが頬張る。
最後の一本を食べ終え、指をぺろぺろと舐める。
口の周りにタレがついていたため、僕はハンカチで拭いてやった。
「美味しいね。さて、僕はあのうどんとかいうのを食べようかなって思うんだけど、みんなも食べる?」
僕が指差した先には、白い細長い物を茹でて汁に浸して食べるモノを売っている屋台があった。
「そうだね。私は食べようかな。」
フィリスのその一言を皮切りに皆が答える。
フィリス、エル、僕が食べ、エリス、フォーア、フィアが食べないと聞いてから、屋台に行く。
3杯頼み、僕器を受け取る。
その際に、器の返還を求める言葉を聞き、納得する。
一々、器をあげていては、器がいくつあっても足りない。
同じ物を食べている人の真似をして、白い麺を啜る。
つるりと口の中に入ってきた麺の喉越しも去るコトながら、汁も味がしっかりしておりとても美味しかった。
一口だけ、エリスに食べさせてやると美味しいと笑っていた。
食べ終えて器を返還してから、僕達は街をぶらぶらしてから宿に戻った。
ここのところ、大きな問題が起きてません。
てか、エルの話はどうしたという感じでしょうが、許して下さい。
次の、宿屋での夕食の時に話します。




