門の前で
僕達は門の前に繋がる列に並んでいた。
僕達が一番後ろではあるが、一向に進まぬ列に苛立ちを感じる仲間もいた。
「どういうコトなんだろ。全く列が進む気配すらないんだけど。」
フィアのその一言を皮切りに皆のストレスが爆発した。
皆が口々に文句を言う。
まぁ、エリスは暇そうにしていたので抱き上げてからは四十ご機嫌だが。
「少し、見に行こうか。何か問題があったのかもしれないしね。」
エルがそう言うと、皆がそうだそうだと呟いて、僕をチラリと見る。
エリスはニコニコと僕の顔を見つめていた。
エリス、僕の顔はそんなに面白いかい?
「わかった。見に行こうか。何かあったのなら、僕達も助力できるかもしれないしね。」
僕達は列の横を進んで行く。
歩んで行くウチに睨みつけられたが、何が何だかよくわからない。
門の目の前には、馬車が停まっていた。
よく言えば煌びやかな、悪く言えば趣味の悪い馬車だった。
更に進めば、門番に男が大声で文句を言っているのがわかった。
その男は、普通の入り口では入れぬ程にふくよかだった。
「だーかーらー!私を先に通せと言っておるだろうが!私は貴族だぞ!このような庶民共と同じように並ばせるなど、私を誰だと思っているんだ!」
その質問の答えは予想外の所から返ってきた。
「あれは、サウザス子爵だね。少し、言って来ようか。皆が迷惑しているのだしね。」
エルがサウザス子爵とやらに近付いて行くのに、僕達は着いていく。
「サウザス子爵、貴方は何をしているんだい?もしかしすると、権力を傘に来てここを通せとでも言っているのかな?ならば、陛下にお伝えせねばなるまい。陛下はそういった行為が好きではないようだからね。」
エルの言葉に振り向いたサウザス子爵は、エルを見た瞬間に顔を青く染める。
「い、いえ。そ、そ、そのようなコトは!ただ、急ぎの用事がありまして!そ、それでココを先に通していただけぬかと相談しておっただけなのです!」
必死になっているサウザス子爵の姿に笑みが込み上げてくる。
「そうですか。しかし、その様子だと結果は芳しくないのでしょう。それに、今の貴方の行動は徒に他の者達を待たせています。結果的に言えば、貴方は貴方によって自分が入るのを遅らせているコトになる。ならば、もうわかりますね?」
エルがニコリと微笑めば、サウザス子爵はコクコクと頷いて列の最後尾まで馬車に乗って走って行った。
満足気なエルに門番が話しかける。
「ありがとうございました。お礼に通して差し上げたい所なのですが、決まりとなっております故…。」
エルは途中で手を上げ、言葉を止めさせる。
「わかっている。彼を通さなかったのに、私を通したとあれば、彼や他の者からも抗議が来るだろう。安心してくれ。私達は通せなどと言うつもりはない。では行こう。」
エルが列の後ろへとトコトコと歩いていく。
僕達は結局、後ろに着いて回ることしかできなかった。
というか、
「エルって何者?」
僕の疑問が口から旅立った。
「ふふふ。これでも、私は有名なのだよ。陛下とも何度もお会いしたコトもあるし、昔は王子にも魔法を教えたコトがある。今は、国立魔法大学校の名誉魔法教授だがな。」
実は、中々の権力者なのかもしれない。
というか、僕には凄いのかわからない。
一番後ろに来た僕達は、サウザス子爵に先を譲られて、30分程で中に入るコトが出来た。
とはいえ、その30分間に会話はほとんどなかったが。
一回消えてしまった時は、もう書くのやめようかなって思いました。
とはいえ、遂に街に着きました!
まぁ、まだ入ってないけどねw
エルの隠された設定が出てきました。
ちなみに、国立魔法大学校とは国が運営する魔法大学です。
国立魔法大学校を出れば、先行きはまず安定と見ていいでしょう。
教授になれた時には、もう一生困りません。
てか、引っ張りだこで困るくらいです。
ちなみに、国立魔法大学校名誉魔法教授はこの国にエルの他にもう一人います。
出て来てないけどね。
そんなエルと幼馴染のアイツって一体…。
ちなみに、名誉魔法教授のエルの一言で国が動くとも言われてます。
それ位偉いのです。
まぁ、次の話でも説明しますが。




