表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/62

フィリス

僕はお茶を啜っていた。

緑色のお茶で初めて飲むがとても美味しい。


相手はエルフの里の族長。

相手もまた、お茶を啜っていた。

お茶を啜る姿すら色っぽい。


「で、フェリスの弟だと?んで、フェリスの妹であり、君の姉であるフィリスに会いたいと?」


「はい。フィリスさんに届け物をせねばなりません。」


この問答はもうすでに6度繰り返している。

族長はさすがに諦めたのか、話を進めるようだ。


「フィリスはここの巫女だ。エルフの中でも私しか気軽には会えん。渡すものがあるなら、預かるそれでどうじゃ?」


「直接お渡ししろと言われてますので。」


族長は、諦めたように立つ。


「ついてこい。フィリスと会わせてやろう。しかし、見て驚くなよ?」


「姉よりよく聞いております。フィリスさんは繊細なお方だとか。」


僕も立ち上がり、後を追う。

エルフの里のはずれにある一軒の家に入る。


「フィリス、客を連れてきた。すまないが会ってはくれんか?フェリスの関係者だそうだ。」


奥から綺麗な声が聞こえる。

フェリスは凛とした鈴の音のような声だったが、フィリスさんは優しく響く風のような声だった。


「姉さんの関係者、ですか?」


「自称弟を名乗っておる。」


族長の悪意ある説明にフィリスが笑う。


「姉さんのコトですから、どこかで拾ったんでしょう。しかし、姉さんの弟となれば、どちらが上か決めねばなりませんね。入ってもらって下さい。族長はそこで、待っていて下さい。」


族長がしっしっと手を振る。

早く入れというコトらしい。


そっと戸を開く。

中には神々しい程に綺麗な女性がいた。


「貴方が、そうなのですか。しかし、幼いですね。もう少し大きいと思っていました。」


僕は声を響かせる。


呪歌『神破断』


僕と姉さんの合作である、たった一つの呪歌。

神の力を削ぎ落とし、力を低下させる呪歌。


フィリスが体を抱く。

痛みに耐えているようだ。

フィリスは半神なんだそうだ。

しかし、強大過ぎる力はフィリスの体を蝕んだ。


「神を落とす。姉さんの技には呪歌という方法ではできなかったはずですが?」


なおも僕は歌う。

姉さんの恋心が詰まった歌を。

その恋心の相手を知らずに。


歌い終えると、フィリスさんは息も絶え絶えで寝ていた。


「終わりましたか?これで、どうするのですか?」


「姉さんは恋をしたそうです。相手は知りませんが。それと、半神から落ちた貴方にならば、抵抗をする力はないそうです。ですから、治療に専念できます。」


たった一つ、望まれた願いは妹を救うコトだった。

だから僕はこの人を救う。


僕はフィリスに近づく。

そっと口付けをする。

フィリスの舌を絡め、唾液を交換する。

初めはただ愛撫を受けていたフィリスも僕の舌に舌を絡めようとオズオズと舌を出す。

クチュリと音がなり口元を唾液が垂れるが、気にしない。

1時間もしていただろうか、それとも、1秒ほどだったのだろうか。

キスを終えた。


「治療、ですか。しかし、知っていますか?エルフの里の掟では、口付けは婚姻の誓い。愛しい者と婚姻するときに初めてするのですよ。だから、私は初めてだったのですが、責任取ってもらえますか?」


「僕は人の身であり、人を愛せませんから。貴方が幸せを望むなら僕と共にはいない方がいいです。しかし、姉はそのコトは何も言っていなかったのですが。」


フィリスは妖艶に笑う。

しかし、エルフとは中々色っぽい生き物のようだ。


「後、一つ姉さんからのプレゼントがあります。これを受け取っていただけますか?」


僕はネックレスを取り出す。

このネックレスは、着けている者の魔力を少しずつ吸い出して、保存しておけるモノだ。


「あら、綺麗ね。ありがとう。」


「姉が作り上げた、貴方の力を制御するための道具です。魔力を吸収する特性がついています。これで、ある程度吸収すれば、貴方の身体への負担が減ると言っていました。」


「先程の接吻はしないのですか?私は少し気に入ったのですが。」


イタズラっ子のように笑うフィリス。


「接吻はとはまた、古風ですね。」


「そうなのですか?では、最近はどういうのですか?」


「キスと姉さんに教わりました。」


先程までの神々しいまでの綺麗さは感じないが、それでも引き込まれるような美人なフィリスの首にネックレスを着ける。


「キス、なんだか響きが好きです。」


「ええ。なんだかね。それと一つ、お願いがあります。」


「なんでしょうか?」


僕は立ち上がり、手を差し出す。

さながら、ダンスのお誘いのように。


「一緒に旅に出ませんか?今は来ていませんが、仲間もいます。共に世界を見に行きましょう。」


「ふふ。お願いいたしますわ。」


フィリスは僕の手を取り微笑む。

僕がフィリスの手を引いて立ち上がらせる。


「ところで、先程のポーズは一体なんですか?」


「姉にこのポーズで言えと言われたので。」


僕とフィリスは苦笑いを浮かべた。

気を取り直すように、僕はフィリスに告げる。


「行きましょうか。族長を説得して。」

エルフで半神ということで、何だか要素を盛り込み過ぎました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ