エルフ
街を出てから、もう3日過ぎました。
さすがにこの人数ではユニに乗れないので速度は遅いままです。
僕もユニには乗りますが、一番体力があるのは僕なので僕は圧倒的に歩くコトが多いです。
それと、なぜか僕が歩いてるとエリスも歩きたがります。
出来るだけ手を繋いで歩いているけれど、エリスは足が小さいので、歩数が多くなって大変そうです。
なので、ちょこちょこユニに乗せますが、エリスは僕と歩きたがります。
僕はふと、左方向に違和感を感じました。
術がかけられているようです。
姉さんの術に似ています。
エルフでしょうか?
「フォーア、次の休憩地点までどれくらい?」
僕はフォーアに問う。
「えぇーっと、30分くらいでしょうか。」
「わかった。次の休憩地点まで言って待ってて。ユニ、みんなを頼む。」
それだけ言って、僕は森の中に入る。
方向感覚を失くす術式を無視して、ズンズン森の中を進む。
この程度の術式では僕は止められない。
殺気を感じたので、僕は前に飛びます。
ぐるりと受け身をとったところで、僕のいたところに矢が刺さっているのを確認しました。
かなり、腕のいい弓使いがいるようです。
やはり、エルフでしょうか。
姉さんも弓は得意でした。
「お前、ここに何しに来た?迷ってきたなら引き返せ。」
前に出てきた女性がそう言いました。
数人で僕を囲んでいるようです。
僕はそのエルフの顔を見て、驚きました。
僕はそのエルフに近付いて顔をガン見します。
「目の形が似てる。鼻は少し違うけど、全体のバランスは似てる。ねぇ、お姉さん。実は娘さんいたりしない?」
僕の問いかけが予想外だったのだろうか、お姉さんは固まった。
「あ、あぁ。いるにはいるが。」
「名前がフェリス・ノエルだったりしない?」
そう言った瞬間、弓が引かれる。
全員の弓が僕を捉えている。
「フェリスをどうした?死にたくなければ答えろ。」
「僕はその人ともう一人に森で拾われたんだ。それから、フェリスさんを姉さん、もう一人の女性を母さんって呼んでる。と言っても信用してくれないだろうね。」
殺気を抑える気などないのだろう。
後少しで、僕の中の何かが弾けそうだ。
下手をすれば、この人達を殺してしまいかねない。
「そうだ。姉さんに習った魔法を見せるよ。姉さん独特の魔法だから、わかると思うんだけど、どうかな。」
「やってみろ。しかし、攻撃をすれば、仲間たちがお前を殺すぞ。」
僕は歌うように呪文を唱える。
久しぶりだから出来るか不安だったが、特に問題はない。
呪歌を、使った多重展開魔法だ。
呪歌で仲間を強化したり、逆に相手を弱らせたりしながら、呪歌から要素を抜き出し、魔法を形成する。
最大、5つ程度までは展開可能だそうだ。
姉さんの奥義の一つだ。
「た、確かにフェリスの術よ。私にも教えてくれなかったのに。」
呪歌、木漏れ日の歌。
仲間の精神を安定させる呪歌である。
エルフに伝わる呪歌であり、人間が操るのが至難の技である。
「信用してもらえますか?これでもダメならもう一つありますが。」
『神剣、神落とし』
姉さんが神もを殺すために作り出した技。
しかし、これは周りへの影響が大きいのであまり使いたくない。
「確かにもう一つの方はここで使うには危険過ぎるわね。貴方を信用するわ。でも、何しに来たの?」
「姉さんの妹さんに届けたいモノがあるのです。姉さんがここを去った理由の一つを。」




