エリスの旅路
私は今、大変ドキドキしています。
大好きなエルクト兄ちゃんにギュッと抱きしめられてるからです。
いつも優しいエルクト兄ちゃんに強く抱きしめられるのは、何だか嬉しいです。
俺のもんだぜって言われてるみたいです。
フォーアが気遣わし気に私を見ますが、私は大変幸せなので、気にしなくても大丈夫です。
エルクト兄ちゃんは、1時間ほど歩いていても全然起きません。
背中に当たる吐息が、なんかなんかな感じです。
わかりません。
また、フォーアは私を見ます。
お前、私が好きなのか?
更に1時間ほど歩くと、フィアとかいう女狐が休憩すると言い出しました。
近くに水場もあるから、と、フォーアも乗り気みたいです。
まさか、エルクト兄ちゃんを起こしたりしないよね?
私の予感は当たりました。
が、しかし、幸せなままです。
起きたエルクト兄ちゃんの膝に私は座っています。
エルクト兄ちゃんは、ボーッと遠くを見ています。
私がパンをちぎって口に持っていくとパクリとエルクト兄ちゃんが頬張ります。
たまに、私の手も食べちゃいます。
これまた、なんかなんかな感じです。
少し休憩すると、また歩き出します。
今度はフォーアの番みたいです。
エルクト兄ちゃんはユニの首を抱きしめて寝ています。
後ろにはフォーアが座っています。
さすがに、フォーアは抱きしめないみたいです。
1時間ほど歩くと、今度はフィアが調子こいてフォーアと変わりました。
フィアはエルクト兄ちゃんに抱きついてました。
エルクト兄ちゃんは、私のものです。
ちょっと可愛いからって、調子に乗るなよ!
しかし、2時間も歩くのはツライです。
でも、今は少し楽しいです。
エルクト兄ちゃんが起きて、エルと変わりました。
今はエルとフォーアが一緒に乗っています。
エルクト兄ちゃんは、私と手を繋いで歩いています。
やっぱりエルクト兄ちゃんの一番は私なのです。
なんと、エルクト兄ちゃんが私を抱き上げました。
感動していると、ユニに乗せられました。
後ろに乗っているのはエルです。
一向にエルクト兄ちゃんと変わる気配がありません。
最悪です。
とかなんとかしてるうちに、今日野宿する予定地に着きました。
少し明るいですが、今日はここまでだそうです。
エルクト兄ちゃんが、ニコリと私に微笑みかけました!
エルクト兄ちゃんの言う通り、一生懸命手伝うとエルクト兄ちゃんはナデナデしながら私のコトを褒めてくれました!
なんかなんかです!
よく見ると、テントが二つありました。
なぜでしょう。
みんなで寝ればいいのに。
ご飯を食べたら、エルクト兄ちゃんがいそいそとテントに入っていきました。
本当に疲れているようです。
しばらくみんなで話していましたが、私がつまんなそうにしているのに気付いたのでしょう。
エル以外が寝るコトになりました。
私がエルクト兄ちゃんのところで寝ようとすると、フィアに抱き上げられました。
私はフィアと一緒のようです。
物凄く嫌ですが、逃げれません。
ガサガサと音が聞こえたので、目を開けるとエルが入ってきていました。
「起こしちゃった?」と聞いてくるので、私は一応左右に首を振ります。
エルはそっと頭を撫でて、コソッと嬉しいコトを言ってくれました。
エルクト兄ちゃんが次は起きてる番みたいです。
私はフィアを振りほどいて、テントを出ました。
火の前にはエルクト兄ちゃんが座っていました。
私がエルクト兄ちゃんの近くに走っていくとニコリと笑って膝を開けてくれました。
エルクト兄ちゃんの膝の上は幸せです。
暖かくて、なんかなんかなのです。
ふと気付きましたが、なんかなんかな気持ちはもしかすると好きって感情なのかもしれません。
胸がいっぱいになるのが好きだとハル爺も言っていたではありませんか。
これぞ、好きみたいです。
エルクト兄ちゃんが歌を歌っていました。
とっても上手いです。
私が手を叩くとエルクト兄ちゃんは恥ずかしそうにはにかみました。
そんな顔もカッコイイです。
『嘘つき』という言葉が何度も出ていました。
なんででしょう。
エルクト兄ちゃんは嘘つきなんでしょうか。
聞いてみましたが、答えてはくれませんでした。
もしかすると、思い出の歌なのかもしれません。
ふと、エルクト兄ちゃんが指を差します。
その方向を見ると綺麗な朝日が見えました。
凄く綺麗です。
でも、いつもの見れないくらいの眩しさはありません。
もしかして、太陽さんは体調が悪いのでしょうか。
エルクト兄ちゃんに聞くと、お寝坊さんだから寝ぼけているんだよ、と笑っていました。
太陽さんはお寝坊さんだったんだ。
エルクト兄ちゃんが私を抱き上げて、立ち上がりました。
朝ごはんを用意するみたいです。
綺麗に切られていくお野菜たちはなんだか幸せそうです。
これを食べたら、きっと私たちも幸せになれます。
エルクト兄ちゃんに頼まれたので、みんなを起こしにいきます。
フォーアは一声かけるとすぐに起きました。
しかし、フィアとエルは全く起きません。
このままでは、エルクト兄ちゃんに褒めてもらえません。
しかし、どうやったら起きるのかわかりません。
すると、エルクト兄ちゃんが見にきていました。
起こせていない私を見て、失望しているに違いません。
しかし、エルクト兄ちゃんはテントの前まで歩いてくると、私を手招きしました。
そして、パチリと指を鳴らしました。
すると、二人は飛び起きました。
どういうコトかわかりません。
しかし、エルクト兄ちゃんが凄いのはよくわかりました。
みんなでエルクト兄ちゃんの作った美味しい美味しい朝ご飯を食べて、今日も出発です。
今日も一日、エルクト兄ちゃんと一緒がいいな。
今回はエリスの視点で書きました。
少し腹黒い部分が見え隠れしていますが、未来はきっと小悪魔になります。
エリスのヒロイン路線はほぼ確定ですね。
可愛らしくおねだりする妹キャラ。
さて、次回かその次にはエルフを出します。
エルフの里にはどんな人がいるのか、そしてそこでは何が起きるのか。
お楽しみに。




