エリュクトの初戦闘
バーバラ商会については調べがついている。
人を拉致し、奴隷に落とすなんて当たり前、王都では王族に気に入られているのを盾に相当黒いコトもしてる。
僕は王都へと空中を駆ける。
隣をユニが駆ける。
ユニが乗れといななく。
僕はユニへと飛び乗る。
ユニは僕よりも早いようだ。
僕も、訓練が足りないな。
2時間程走ると、大きな城が見えてくる。
王都へとついたようだ。
今だ、王都の大通りは明るかった。
ユニから飛び降り、二人でバーバラ商会の前に立つ。
僕が軽く腕を振るう。
バーバラ商会の結界が簡単に破れる。
「貴様らの行動が気に入らん!潰させてもらおう!」
僕が再度手を振れば、今度は商会の入り口が消え失せる。
僕は歩いて、中へと入る。
中にいた男がブツブツと唱えていた。
火の塊が僕へと叩きつけられる。
僕はサッと撫でる。
それだけで、魔法は効果を失った。
今度は僕の番だ。
僕はパチリと指を鳴らす。
すると、男は奥の壁へと叩きつけられる。
その程度では、僕の歩みは止まらない。
僕は歩みの速度は変えず中を蹂躙していく。
泣き叫び、逃げ惑い、命乞いをする。
「お前達は、命乞いをした人間をどれだけ傷付けた?罪のない人間を、奴隷へと落としたんだ。同じコトをされても、文句はないよな?」
バーバラ商会の商会長、バーバラの元へと辿り着く。
「ははは!バカめ!こちらには、B級の冒険者がいる。貴様など歯牙にも掛けぬわ!やれ!」
エルフの女性が、僕の元へと駆けてくる。
手にはナイフ、同時に呪文を唱えている。
ナイフが僕に迫っている中、女性は呟いた。
「悪いわね。」
僕はナイフを自らの剣で受け止める。
「構わないよ。これも、仕事だもんね。」
女性は唱え終えていた雷撃魔法が僕に迫る。
僕は指を鳴らす。
それだけで、氷が雷撃を相殺した。
何度か女性と刃を交え、魔法を交える。
部屋は壊れ、夜空が綺麗だ。
部屋の隅にはブルブルと震えるバーバラ。
そういえば、バーバラって男なんだな。
とか、考える。
女性は段々息が切れはじめる。
魔法は安定しなくなり、刃は正確さを欠く。
「ねぇ、もういいんじゃない?君じゃ僕に勝てないよ。」
「みたいね。でも、仕事だから。」
僕はそれを聞いた時点で、剣をバーバラの真横に投げる。
バーバラの頬を切り裂き、地面へと刺さる。
女性の刃が、僕の首へと迫るが僕は何もしない。
刃は僕の首の目前で止まる。
僕は気にせず、指を鳴らす。
僕の後ろには3桁を余裕で超える量の氷柱が並ぶ。
「降参してよ、バーバラさん。死ぬのと奴隷に落ちるのどっちがいい?」
女性は何度も何度も僕を切りつけるが、僕に傷一つつかない。
「わかった。奴隷にだってなんだってなる!だから、命だけは!」
氷柱がバーバラの周りに綺麗に刺さる。
「それと、全ての奴隷を解放。商会の解体。できないなら、ここの人間を全て殺す。」
バーバラが頷いたのを見てから、僕は歩き出す。
女性が膝をつくが、気にしない。
先程投げた剣は飛んできて僕の鞘に収まる。
「猶予は1日、全ての奴隷を解放してなかったら、貴方方の命はないと思えよ。」
そう言って、結界を解除する。
僕はユニの元へと歩みを進める。
しかし、歩みは止められることになった。
大剣を持った男が物凄いスピードで斬りかかってきたからだ。
僕は自分の剣で受け流す。
「なぁ、お前強えな!俺と本気で勝負しろ!」
「僕、もう帰りたいんだけど。てか、僕は君に興味ないし。」
受け流したにも関わらず、僕の袖口は裂けていた。
「俺にはあるんだよ。俺は強え奴と戦いてぇ。楽しいからな!」
男の大剣が次々と繰り出される。
僕も受け流すが、その度に衣服が裂ける。
「なら、今度は僕が戦いたくなる状況で挑んでよ。」
その言葉と同時に、僕は斬りかかってきた刃を足場にして、上に飛ぶ。
そして、男の頭を蹴り上げる。
前に倒れかけるが、男は踏みとどまる。
しかし、僕は空気を蹴って、オーバーヘッドキックみたいな形で男の頭をもう一度蹴る。
男がばたりと倒れる。
「てめぇ。次は負けねぇからな。」
脳震盪で立ち上がれないのだろう。
寝たまま、男が言う。
「そう。次もまた、軽々と負かしてあげる。そういえば、君の名前を聞いてなかった。」
「俺の名前は、ゼズ・トリセンだ。覚えとけ。」
「僕はエリュクト・プロシオン。じゃあね。」
僕は、男を放置しユニの元へと急ぐ。
そして、ユニと共に空へと飛ぶ。
上から見ても、被害の凄さがわかる。
建物は崩壊しており、地下も無事か心配になる。
しかし、僕はユニに乗って、フィアの元へと駆けねばならないのだ。
そして、あの街のバーバラ商会も潰さなきゃいけないのだ。




