表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/62

初めて

「ふぅ、森から出るのも、一苦労だね。こんなに大変なら、ママと姉さんにもついて来て貰えば良かったかな…。」


少年は、たった一人で森の中を進んでいた。

腰には50cm程の乳白色に透けている美しい剣がさげられていた。


肩にはとても森を抜ける道具とは思えないほどの小さな荷物が一つ。


時折、腰に下げた剣で自分の道のりを邪魔する枝を払いながら高速で突き進んで行く。


「いやいや、こんな事で弱気になってどうする。こんな体たらくでは、涙ながらに僕を送ってくれた姉さん達に申し訳が立たない。」


そう呟いている少年の歩みは少しも遅くなっていない。


「というか、この森はどこまで続くのだろう…。」


足場が悪い中を半日程歩いているにも関わらず、少しも疲れが見えない辺り、少年の体力は化け物じみているのだろう。


魔獣なども時折姿を見せるが、少年を見るとそそくさと去って行く。



空も暗くなり始めていた。


「今日は野宿…かな。」


仕方が無いとばかりに少しばかり開けた原っぱに体を投げ出す。

体力が化け物並みとはいえ、疲れていたのだろう。少年からはすぐに寝息が聞こえはじめる。


普通、そんな風に寝転がろうものならば、獣が寄ってきて食い散らかしかねないだろう。

しかし、少年の体に傷一つ付くことはなかった。


どころか、近くを彷徨っていた魔獣などが近寄ってきて、少年の体を温めるように添い寝した。



そこには、どこか、愛情のようなものを感じさせる姿だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ