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エリュクトの趣味

あれから、2日が経った。

明日の昼間にはこの街を出るコトになる。

故に、行動を起こすなら、今日しかない。

しかし、今更、僕は何をしようとも思っていない。

僕が動かずとも、バーバラ商会は潰れる。


今日も宿屋のお父さんのご飯を食べる。

相変わらず美味しい。


今日は朝市に買い物に行こうか。

エルを連れて行けば、必要なモノもわかるだろう。

ここ2.3日は出かけていて、買い物が出来ていなかったのだ。


僕は階段を登り、エルの部屋をノックする。

この程度で起きるなら、苦労はしない。


僕は精霊にお願いするコトにした。

程なくして、エルが咳込む音が聞こえる。


「エル。起きた?」


「ケホッ!な、ゴホッ、すんの!」


声が上手く聞こえないが、何すんのといいたいらしい。


「いつも声じゃ起きないから。朝市行って買い物するから、早く準備して。」


ちなみに、フィアには声はかけない。

部屋からは出れるようになっているが、宿から出ると服が木っ端微塵になると体験させてから伝えたコトで、アイツは外に出なくなった。


そういえば、一度、予備の服を持って外に出たが、予備の服も木っ端微塵になっており、諦めたようだ。


「買い物?そういえば行ってなかったわね…。わかった。20分くらい待って頂戴。」


ふむ、20分か。

本でも読もうと自分の部屋に入る。


そこには、着替えてる途中で半裸のフィアがいた。

僕は気にせず中に入り、自分の鞄を漁る。

中にあった魔道書を取り出して、椅子に腰掛ける。

その行動にフィアが唖然としていたが、気にしない。


「アンタ、着替えてんだから、出て行きなさいよ!てか、何よその貫禄。年イった奥さんの裸を見た夫みてぇなその感じ!」


「ふむ。妻がフィアはイヤだな。なんか、めんどくさそう。」


そうとだけ答えて、本に目を落とす。

しかし、本が取り上げられた。


「ちゃんと、見なさい!これでもここらじゃ一番可愛いって有名なんだから!」


「うん。そこそこ可愛いと思うけど…。ガキにムキになって見せて、恥ずかしくないの?」


胸の大きさは小ぶりだが形が良く、スラリと伸びた足にシミもなにもない。

お尻は小さくプリっとしていてセクシーでありながら、子供らしさのある笑み。

確かに可愛い。

しかし、後ろに佇むウンディーネに比べれば、天と地程の差がある。


さすがに、僕に指摘されて恥ずかしくなったのか、いそいそと服を着る。


「アンタ、女に興味ないの?私の身体見ても冷静に観察する人なんて、初めて見た。襲われるかもとか若干思った私が恥ずかしい。」


女性に興味はある。

しかし、比べてしまうのだ。

見慣れた裸体と。


それに、

「僕は背が小さい方が好みなんだ。」


フィアは165cmはあるだろう。

僕は150cm程の女性の方が好きだ。


姉さんも母さんも背が高かった。

色気の溢れる流し目よりも、無邪気な笑顔の方が好きだ。

背の高い人はあまりにも見慣れすぎた。


「そ、そうなの…。いや、いいんだけどね。いいんだけど、なんかイラつくわね。」


「それより、本返してくれないかな。それ、読みたいんだけど。」


コンコンと音がなり、エルが入ってきた。

その目はフィアに止まった。

フィアは今だ下着しか着ていなかった。

プリっとした柔らかそうな尻は晒されたままだった。


「ち、ちが!」


フィアが吠える。

僕は本に目を落とす。

内心思うコトは一つ。

めんどくさそうだなー。


「ご、ごめんなさい…。」


そう言って、エルは出て行った。

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