Xmas
Merry Christmas(^o^)
この小説のモチーフとなったのはJR東海X'mas ExpressのCMです。
山下達郎さんの曲がBGMとして流れ愛しい人を待つという構成が
とても好きです。
駅構内はクリスマスの夜ということもあっていつも以上に人が多く混雑していた。
気温は零度を下回ったのか雪がちらほらと降り始めたというのを
外から駅に入ってきたサラリーマンが話しているのを耳にした。
彼らはクリスマスの日の仕事を終え、これから飲みに行くのか
それとも家族が待つあたたかい家に帰るのかのどっちかだろう。
駅のアナウンスが鳴りまもなく私の待ち人が乗った新幹線が到着するという知らせが入る。
寒くなるから家で待っていてと言われたけど彼を驚かそうと駅まで来てしまった。
ふふっと一人ほくそ笑む、彼の驚く顔が目に浮かぶ。
改札口に一気に人が群がる。
彼の乗った新幹線が着いたみたいだ。
目を凝らして群衆の中にあの人を見つけた。
私が去年のクリスマスに贈った鮮やかな赤いマフラーを颯爽と首に巻きつけ
改札を通りまっすぐこちらにやってくる。
けれど私にはまだ気づいていない。
さっと柱に隠れていきなり目の前に現れてやるんだ。
そして思いっきり抱きついてぎゅってしてやる。
きっと恥ずかしがりやな彼は顔を赤くして人がいるから・・・って言うんだろうな。
頭の中で何回も想像した光景まであと少し、彼はすぐそこ。
そして私は飛び出した。
みなさんがクリスマスを楽しく過ごせますように。