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結婚したら彼が変わった!?  〜婚活後に待っていた“理想と現実”のギャップ白書〜  作者: アレックス・フクリー
Case.3:女として見られなくなった

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エピソード③

「ねえ、最近ハグもしてないよね」


 ある夜、思い切ってそう言ってみた。夫は一瞬「え?」と振り向いたけれど、気まずそうに笑って、「そんなこと言う?」と返してきた。悪気はないんだろう。責めてるつもりもなかった。ただ、何気ないその返しが、ものすごく寂しかった。

 結婚して、まだ一年も経っていない。新婚生活は楽しいし、喧嘩らしい喧嘩もほとんどない。ふたりで家を整え、家計を見直し、旅行の計画だって立てている。それなのに、ふとした瞬間に胸にぽっかりと穴が空く。


「この人、私のこと、もう女として見てないのかもしれないな」


 結婚前は、休日デートの前日になると「何を着ていこうかな」と悩んだり、メイクにも気合いを入れたりしていた。彼が「可愛いね」と言ってくれると、心の中でガッツポーズしてたっけ。でも今は、家でずっとスウェット姿。たまに「お出かけしよう」と誘っても、「今日はちょっと疲れてるから…」と断られることが増えた。私のことを見てくれなくなったのかな、なんて考えると、なぜか自分を責めたくなる。


「もっと綺麗にしておけばよかったのかな」

「自分からもっとスキンシップとれば良かった?」


 夜、一緒のベッドに入っても、彼はすぐに寝てしまう。体を寄せても、何気なく腕をどけられたりして、なんとなく気まずくなってスマホを見るフリ。「疲れてるんだよね」「仕事、大変だもんね」って自分に言い聞かせながらも、どこか納得できない気持ちが残る。

 付き合ってた頃は、手をつなぐだけでドキドキしたのに。後ろから抱きしめてくれたり、髪を撫でてくれたり——"女としての自分"が、確かに彼の目に映っていた。それが今は、なんだか"同居人"になったみたいで。それに、気づけば私への呼び方も変わってきた。


「おまえ、洗剤どこ?」

「○○(私の名前)、それ昨日のやつじゃない?」


 付き合ってた頃は「○○ちゃん」だったのに、いつからか敬称も省かれるようになった。そして最近は「おまえ」が増えてきた。ライン上でも「今日何時に帰る?」「夕飯何?」という実務的な会話ばかり。

「○○、かわいいね」と言われたのはいつだっただろう。思い出そうとしても、記憶が曖昧になってきている。結婚してからは、「好き」とか「可愛いね」なんて、ほとんど言われていない。鏡に映る自分を見て、「そんなに変わったかな」って思うこともある。確かに部屋着ばかりだし、メイクも休日は適当。でも、それは"家族になったから安心してる"ってことじゃなかったの?

 先週の休日、久しぶりに彼の好きな服を着て、髪型も少し変えてみた。「どう?」と聞いても「ん?ああ、いいね」と流されただけ。かつての彼なら、「似合うね!」と笑顔で言ってくれたのに。

 特に夜の営みについては、言い出しづらくて。でも、最近は月に1回あるかないか。彼が疲れてるのはわかる。でも、私だって疲れてるときだってある。それでも、スキンシップがほしいと思うのは、単に身体的な欲求だけじゃなくて、「あなたに求められたい」という気持ちなんだけど。

 女性として見られていない気がして、悲しい。でも、責めたくもない。だって、ちゃんと仕事してくれてるし、優しいし、生活のパートナーとしては満点なのかもしれないから。一緒にいるとき、笑いあえるし、会話もある。ただ、恋人としての特別感が薄れてきている気がして。

 ——でも、それって本当に、私が望んでた"結婚"だったのかな。私がほしかったのは、安定だけじゃなくて、ちゃんと"愛されてる"って実感だったはずなのに。

 昨日、友人から「新婚なんだから、幸せそうでいいねー」と言われて、笑顔で「うん、幸せだよ」と答えた。嘘じゃない。でも、胸の奥にはどこか引っかかるものがある。みんなもこんな風に感じてるのかな。それとも、私だけ?

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