72話 世界が変わるのを楽しみにしている
ワン リアル アクションの
曲は続く
ただ いまだに歓声はない
テレビ局のMCも
慎重に言葉を選んだ
コメントをしている
テレビで見ている者は
”・・・これは
・・・エンタメなのか?”と
疑いたくなり
ライヴ会場に来てる者は
説教を聞かされてる気分だ
ただ
”不思議とイヤではない”
むしろ
”こんなに素晴らしい物を
私たちは無視し続けてきたのか?”と
この
ワン リアル アクションの
音と歌声を聴けば
”・・・・・・・・”
・・・今まで聴いてきた
・・・音と歌声が
・・・バカらしくなってきた
ステージ
ザファイド「・・・どうしようか」
シアン「ここまで
歓声が無しとは」
ネア「もはや
このライヴは伝説だね~」
ザファイド「・・・
ギターを弾く指を
止めようとしたが
シアン「ザファイド!?」
指を止めるな?
バラド「失敗だったら
とっくにオーディエンスは
呆れて帰っている」
カナデ「それでも
この場に居続けてくれてる
と言う事は」
バラド「あぁ
届いているんだよ
俺たちの本物の音が
バラド「そして
答えを出そうとしている
”人気主義”か”本物”
バラド「どっちが欲しいのかをな」
観客席
リエル「・・・耐えられないんだけど
・・・たしかに
・・・音と歌声は別次元だよ
・・・でも
・・・僕が
・・・ワン リアル アクションの
・・・メンバーだったら
・・・とっくに逃げ出してるよ?
ヴェル「歓声なしだもんな」
ティア「・・・彼らは強い
・・・何よりも強い
そこまで
自分を押し通せる物なのですか?
ティア「・・・彼らには
”失敗したら”と言う言葉が
・・・ないのですか?
ティア「・・・なぜ
・・・ここまで
・・・戦えるのですか?」
ツナグ「・・・きっと
本物 過ぎて
理解されない苦しみの時間が
長かったからじゃないかな?
ティア「ツナグ?」
ツナグ「もう彼らには
絶望ばかりしてきた人生だから
絶望にマヒしてるんだよ
ユミ「それって良い事なの?」
ツナグ「どうだろうね?
ただ
そういう人間は
どんな絶望とも戦えるんだ
”レア・シーン”の
メンバーも
この
ワースクル・アーク会場に
来ていた
ワトソ「・・・なんだよ・・これ
”普通なら
どの曲も大歓声物”だぞ!?」
サトル「・・・迫られているからな
まるで
”本物の音を無視し続けた自分”
”なぜ無視続けてきた?"と
責任を追及されるかのように」
ラマ「・・・音楽って
・・・ここまで
・・・覚悟が
・・・必要だったっけ?
ラマ「・・・バラド
・・・誰よりも・・強い
ステージ
マイクを持ち
バラドがステージの
中央に立つ
オーディエンスは
どんな言葉を発するのか
注目する
バラド「ここまで聴いてくれてありがとう
次がラスト曲だ
まあ
歓声は0だけどな
”・・・・・・・・”
・・・笑えない
・・・たとえ
・・・ウケねらいのジョークでも
・・・これは・・笑えない
バラド「歓声0だけど
帰らずに居続けてくれるってことは
考えてくれてるんだろ?
”人気主義”と”本物”
どっちが欲しいのかを?
”・・・・・・・・・・”
バラド「まあ
好きな方を選んでくれ?
シアン「・・・バラド?」
バラド「俺は
みんなの答えを尊重する
バラド「ただ
これだけは言わせてくれ?
誰の意見にも左右されず
自分で答えを出してくれ?
”・・・・・・・・・・・”
バラド「大多数で居る方が
安心できるのは
わかってる でも
そうやって
自分を殺し続けた世界は
悲しくないか?
”・・・・・・・・”
バラド「この世界を
この世界を生きて居るって
実感できるのか?
”・・・・・・・・・・・”
バラド「みんな?
叫んでやれよ?
主張してやれよ?
”これが俺だ”ってさ
観客席
ヴェル「・・・
そのバラドの言葉に
驚愕し心酔した
それはヴェルが
子供の頃から追いかけていた
理想 その物だからだ
バラド「自分を出せ?
自分を殺すな?
自分を貫け?
それが
鬱々とした世界を変える
観客席
ツナグ「・・・」
ティア「ツナグに
クリティカル・ヒットですね」
ユミ「カナデから聞くに
ツナグは
そんな生き方だった
らしいからね」
ティア「あの
バラドって人間
人の心の叫びが
手に取るように
わかるのですか?
ティア「・・・こんなの
・・・共感しか
・・・できないですよ?
ステージ
バラド「さあ
ラスト曲を聴いて
じっくり考えて欲しい
いつだって
世界を変えるのは・・・
それは
ラスト曲の歌詞で
感じてくれ?
”・・・・・・・・・・・・”
バラド「俺は
みんなの答えを聞き
世界が変わるのを
楽しみにしている
バラド「ネア?」
ネア「じゃあ
歌おうか~
ラスト曲
「世界を変えるのは」




