69話 音と歌声だけで
なんかズレている
観客席
ツナグ「・・・これは
リズムカルなダンスナンバー?
それにロックも加えている
音たちが大爆発した!
その音たちに乘って
ネアが続きを歌う
ネア「・・・
全部 違和感しかない
すべての世界が噛み合わなくて
こんなにもズレている
何が人と違うんだ?
世の中から俺は
大きくズレているような感覚
誰とも合わなくて
虚無を感じて嘆いている
普通とは違う
俺はそんな感じ
普通が大嫌いだ
誰が決めた?
常識にハマれと?
囚われたくない
もうイヤだ
縛られて
自由を奪われて
なんかズレている
どうして群れるんだ?
人に合わせて自分を殺して
なんかズレている
俺にしか出せない
何かがあるだろ?
それを無視してるのか?
なんかズレている
観客席
ヴェル「・・・音が
・・・別次元じゃねえか」
リエル「・・・動画が
・・・200万再生
・・・されるわけだ」
ティア「作詞をしているツナグ?
この
ワン リアル アクション
つまりネアの作詞ですか
どう感じますか?」
ツナグ「・・・きっと
・・・特別すぎて
・・・普通になれない
・・・ズレの苦しみ
ユミ「・・・いいなぁ~
・・・私も
・・・良い意味で
・・・ズレてみたい
ユミ「あのステージで奏でる
・・・カナデみたいに
ネア「・・・
どうして
普通の枠組みにハマりたい?
表現できるのに
自分を出せるのに
まるで皆は
それを諦めているよう
安心するために
大多数で居ようとする
それでいいのか?
なんかイヤじゃないのか?
勝手に
決められたルールに
合わせようとして
世界の仕組みに
違和感しか感じない
どうして皆は
自分を出すことを諦めて
何もしない時を過ごす?
全部 さらけ出して
全部 抜け出して
自分を出せばいい
この
息苦しい世界から
なんかズレている
もう叫びだせよ?
こんなの退屈だって
もう認めてしまえよ?
なんかズレている
皆にできないことを
俺はできてしまうのだから
やっと わかったよ
息苦しい正体が
普通にハマることに
抵抗があったんだ
なんかズレている
どうして皆は?
ちがう そうじゃない
なんかズレている
やりたくても
できないんだ
だから
普通に紛れたい
なんかズレている
やりたいことで
溢れてる俺が
なんでもできるから
なんかズレている
見つけちゃうんだよ?
自分にしか見えない世界が
なぜか できちゃうんだよ
俺にしかできない特別が
観客席
オーディエンス「・・・・・・・・・・」
ヴェル「リズムカルなダンスナンバーに
ロックを取り入れてるのに
大歓声はなしかよ?」
ティア「そうでしょうね
だって
初めて
本物の音たちを
聴いたのでしょうから
ティア「盛り上がりよりも
世界に引き込まれましたね」
ヴェル「・・・この歌詞
あくまで
ワン リアル アクションは
特別だって言いたいのか」
ティア「そうでしょうね
本物だけを集めた
本物の音たちによる
本物の演奏ですから
ティア「”人気主義”しか
知らないオーディエンスには
耐性がなかったみたいですね
本物の音たちの魅力に
ハ~イ?
みんな
盛り上がってる~?
ステージ
ネア「ロックなんだから
盛り上がってくれたら
うれしいのにな~」
シアン「いきなり失敗か?」
ザファイド「ちがうよ
本物の音に
圧倒されてるんだよ」
バラド「代われネア?」
ネア「え?」
バラド「届けたい想いがあるんだ
俺が伝える
”バラドがトーク!?”
”そんなところ
初めてなんじゃないか!?”
”・・・何を
・・・話すんだろう?”
マイクをかまえ
ステージの中央に
立ったバラド
オーディエンスが
バラドに注目する
バラド「・・・」
”(・・・・・・・・)”
バラド「・・・
なあ ネア?
トークって
何を喋ればいいんだ?
”・・・・・は?”
ネア「てめえ!?
何も考えてなくて
言葉を発しようとしたのかよ!?
いつもトークを
私に任せてるツケが
きたなあああああ!?
バラド「しかたねえだろ
やったことねえんだから
じゃあ なんで
やろうとしてるんだよ!?
”・・・・・・・・・・・・”
会場中が
大爆笑でつつまれた
観客席
ヴェル「・・・たしか これ
・・・”人気主義”を
・・・ぶっ壊すための
・・・ライヴだよな?」
リエル「・・・トークで
・・・ウケを狙ってる?」
ユミ「・・・矛盾って言葉に
・・・最高にピッタリ」
ステージ
シアン「もう
想いのまま言葉にしろよ?」
ザファイド「壊したいんでしょ?
”人気主義”を?」
カナデ「バラドさんなら
でっきる~」
バラド「そうだな
今の大爆笑
これが”人気主義”だ
”・・・・・・・え?”
バラド「こうやって
ウケの良い言葉を使って
面白さで
人気を取って
音も歌声も
ごかましている
バラド「俺は
そんな物が
大嫌いだ
観客席
ツナグ「・・・バラドさん」
ティア「ツナグ?」
ツナグ「・・・本当に
音と歌声だけで
勝負するつもりだ




