68話 ハジメテ
ワースクル・アーク会場
10万人のオーディエンスで
埋め尽くされていた
国中にテレビ放送もされる
はじまる
世界を変える戦いが
”人気主義”を ぶっ壊し
本物たちの音を救うため
控室
カナデ「はっじまる~♪」
ツナグ「・・・緊張はしないのか?」
カナデ「しないよ~
だって~
となりに君が居るからね~?
カナデ「そして
私たちと”欠けている”の
輝かしい未来が待ってるから~
やるしかないよね~♪
ツナグ「・・・その強心臓
・・・うらやましい」
カナデ「君が居るから
そうなれてるんだけど~?」
ツナグ「どんだけ僕は
カナデの支えになれてるんだよ?」
カナデ「・・・う~ん
産まれた時から
今まで ずっと
カナデ「支えられてるな~
もう わかってしまったんだ
君が居ないとダメだって
ツナグ「・・・カナデ」
上目づかいで
じーーーっと
ツナグの瞳を見つめ
想いを告げる
ツナグ「・・・なに?」
カナデ「・・・バ~カ
君と出逢うまでに
7分も待たせやがって
カナデ「君は産まれて0秒で
私と出逢えたけど
私は7分も待ったんだぞ~?
同じ瞬間に
産まれてこいや~?
・・・ムリ
・・・言わないで?
バラド「嬢ちゃん?
出番だぞ?」
そう言ってバラドは
メンバーと一緒に
大舞台へ向かう
ツナグ「・・・はじまるね?」
カナデ「そうだね~」
ツナグ「不安とかないの?」
カナデ「う~ん
ちょっと不安かも~」
ツナグ「・・・僕にできることが
・・・あればいいのに」
カナデ「じゃあさ~
・・・キスして?
ツナグ「・・・え!?」
カナデ「・・・」
ツナグ「・・・
・・・ハジメテ カナデと
・・・キスをしてしまった
ツナグ「(・・・と言うか
・・・奪われて
・・・しまった
カナデ「うん!
これで何も不安はな~い♪」
ツナグ「・・・
呆けるツナグ
カナデ「じゃあ~
切り開いて来るね?
私たちの未来を?
ツナグ「・・・うん
ムリだけはするなよ?
カナデ(フフ~♪
ツナグと
キスしちゃった~♪
ワースクル・アーク 観客席
ワン リアル アクションの
メンバー特権で
チケットを数枚
入手していたカナデとシアン
カナデの親友 ユミと
”欠けている”のメンバーも
会場に駆けつけて居た
ユミ「・・・カナデが
こんな大規模会場で
曲を披露するの!?」
ヴェル「シアンって言う
俺らの仲間のベーシストもな」
ティア「ツナグとシアンから
カナデは回復したと聞きました
あとは祈るしかないですね
このライヴの成功を」
リエル「なんか
カナデもシアンも
・・・遠いところに
・・・行っちゃったな~
ヴェル「・・・リエ」
ユミ「私も そう思う
まるで別世界の住人
いつもカナデとは学校で
・・・笑い合ってた・・のになぁ
ティア「・・・
やめましょう?
そう思うのは?
リエル「ティア?」
ティア「”才能が孤独になる理由”ですよ?
カナデもシアンも
何も変わってません」
リエル「・・・そうだよね」
ヴェル「にしても
会場の熱気がハンパないな」
ティア「まあ
この国で本物なんて
めったにお目にかかれませんからね
ティア「みんな走ってしまうのですよ
”人気主義”に
人は時代の流れに乗ればいい
そうした方が楽ですから
自分を押し通すために
世界を変えてやろうなんて
ティア「本当は
とんでもない大馬鹿ですよ?
そっちの方がいばらの道なのに」
ヴェル「それでも
ワン リアル アクションの
気持ちは わかるよ
俺もギターで
”これが俺だって”
叫びたいからな
ヴェル「いつか
追いつくしかねえよな?
カナデにもシアンにも
ティア「そうですね」
ごめん 遅れた
ツナグ「来てくれたんだね?」
ヴェル「よお?
”すべてを繋ぐワンオール”の
”心を繋ぐ女ったらし”?」
ツナグ「・・・ひどい
・・・言われよう」
ティア「ツナグ?
顔が赤いですが何かありましたか?」
ツナグ「いや!これは!!」
ヴェル
リエル
ティア
ユミ「・・・なるほど」
ツナグ「・・・何を勝手に
・・・理解したの?」
ユミ「マザルく~ん?
いや ツナグく~ん?
式には呼んでね~?
ユミ「親友として
友人代表として
スピーチしてあげるから?」
ヴェル「式で
”欠けている”で
曲でも披露するか?」
リエル「おもしろそー
ウェインディングドレスと
タキシードでのセッションなんて
うらやましっすっぎるー!!」
ティア「式場を
ライブハウスに
するつもりですか?」
ツナグ「・・・みんな?
(・・・僕はどうせ
・・・イジられ属性に
・・・全振りしてるみたいだ)」
照明が消され
ライヴの始まりの
合図を予感させる
ヴェル「・・・はじまるのか」
リエル「・・・どうなるんだろう」
ティア「・・・え?」
カナデの
ヴァイオリンソロが
はじまった
ツナグ「・・・この大舞台の
・・・はじまりの口火が
カナデのヴァイオリンから
はじまるなんて・・・
ステージ
バラド「まあ
本物の音を繋ぐ
チューニングみたいなものだ
嬢ちゃんのソロは」
ネア「ただ
ヴァイオリンの旋律だけで
すべての人を魅了するわね」
シアン「負けてられねえな」
ザファイド「やってやるか」
ネア「歌おうか」
観客席
ステージから
ネアの歌声が響いた
”なんかズレている”




