66話 ねらってたのにな~
カナデに笑顔が戻った
カナデが本気になった
このことで
ワン リアル アクションは
前を向き止まることを知らない
”すべてを繋げるワンオール”
この力が
本物たちの音を繋ぐ
すべての
本物の音たちがアンサンブルして溶け合い
お互いの本物が本物を引き出し合い
メンバーは練度を上げる中
狂気のような喜びの中で
音を奏でていた
だって そりゃあ そうだろ
今まで
出逢えなかったのだから
同類と 本物たちと
それと交わえる喜び
彼らの本当の目的は
”人気主義”を
ぶっ壊すことなのか?
ただ
同類と奏でたかった
だけなのではないか?と
疑いたくなる
1か月後に
世界を変えてやろうと
思うほどの大舞台が
待ってるんだぞ?
そのことを
忘れてはいないか?
もはや
純粋に音を重ねることに
喜びを感じてるメンバー
ツナグ「・・・」
僕は学校を休んでいた
カナデには
「私のために
そこまでしなくても・・・」
そう言うが
カナデのためでもあるが
僕のためでもある
もう見たくないんだ
笑わないカナデなんて
カナデには笑ってて欲しい
またカナデが笑顔を
失うのが怖いから僕は
カナデの傍に居る
バラドさんからは
自由にスタジオを出入りする
許可と言うか
向こうから
そうしてくれと
頼まれている
だって そうだろ
ここで また
カナデに何かあったら
ワースクル・アークの
ライヴどころではない
カナデの代わりなんて居ないし
本物の代わりなんて
見つかるとしても何年かかる?
僕の役目は
カナデが壊れないよう
笑顔を失わないよう
そのために
ワン リアル アクションの
練習スタジオに居ることを
ゆるされているのだから
・・・でも
カナデ「♪♪♪~」
ツナグ「・・・
(・・・カナデが
すごく遠い存在に感じる
ワン リアル アクションで
音を重ね続けてから
カナデの奏でのクオリティが
1つ2つ3つ
いや それ以上か?
明らかにレベルアップしている
どこまで上に行けば
気が済むんだ?
思わず
そう言いたくなってしまう
シアンも
その類に入るのだが
カナデの成長は
シアンの
いくつも上を行く物だった
ツナグ「・・・
不安だった
もう
これ以上
届かないところに
行かないでくれよ?
ただでさえ
僕とカナデでには
音楽の差が大きいのに
もう
これ以上
成長されたら
カナデ「♪♪♪~」
ツナグ「・・・
・・・もう
・・・これ以上
・・・成長されたら
ツナグ「(・・・僕は
・・・カナデのとなりで
・・・歌う資格なんてないよ
休憩室
ツナグ「・・・
・・・複雑だ
・・・壊れそう
なに この?
ぐちゃぐちゃな感情
ツナグ「・・・これ
・・・カナデより
・・・僕の方が壊れるな
しょ~ねん~♪?
恐ろしいほど
親しげにネアは
僕に声をかけてきた
ツナグ「上機嫌だね?」
ネア「本物たちとの
音の交わりのあとで
高揚してるのかもね~」
ネア「で?
その表情は
どうしたの~?」
一目で
わかってしまうほど
僕の表情は
暗い物になってたようだ
ネアなら信用できる
と言うか
これも
ネアの天性の魅力なのだろうか?
なんでも聞いてくれそうな
受け入れてくれそうな
不思議な包容力があるネア
僕は悩みを全部
ネアに打ち明けていた
ネア「まあ
そうなるよね~」
ツナグ「・・・僕がカナデに
・・・あまりにも
・・・届かな過ぎて」
ネア「まあ
少年は~
カナデが居ないと
何もできないもんね~
ネア「おそらく
プロミュージシャンに
なることだってね」
ツナグ「・・・僕の精神に
・・・止めを刺したいのですか?」
ネア「私から言えることは~
少年が今
届かないのなら
届くように
自分を変えればいいだけじゃん?
ツナグ「・・・」
ネア「私たちみたいに
世界が変わらないのなら
変えてやればいいだけだ
ネア「そうやって
活動してるみたいにね~?」
ツナグ「・・・」
ネア「まあ
少年が変われば
世界は変わる
ツナグ「・・・」
ネア「それが可能なら
どうしたい~?」
ツナグ「・・・」
ツナグ「・・・・・僕は
・・・僕は
・・・変わりたい
ネア「だったらね?
変えてやればいいだけじゃん?
ツナグ「・・・簡単に
・・・言うね?」
ネア「何事も
チャレンジ
チャレンジ
前にも言ったけど
失敗したって~
世界が
終わるわけではないし
ネア「私たち
ワン リアル アクションの
ワースクル・アークのライヴが
失敗したって世界は人生は続いて行く
何もしないと
何も手に入らないよ?
ツナグ「・・・」
ネア「前に進む?
それとも止まる?」
ネア「カナデの
カナデの奏でるとなりで
歌う事を あきらめる?
ツナグ「・・・
・・・進むよ
ツナグ「・・・僕は
・・・前に進む
カナデのとなりで
歌える男の子になりたいから
ネア「・・・
そのツナグの言葉を聞いて
表情が曇ったネア
ネア「あ~ぁ~
ねらってたのにな~
ツナグ「・・・はい?」
ネア「だって~
あきらめてくれれば
お姉さんに
チャンスがあったのにな~
ツナグ「え?」
ネア「・・・聞いていい?」
ネア「本当に
18歳になったら
・・・カナデと
婚姻届けを提出しに行くの?
ツナグ「そのつもりですけど?」
ネア「・・・
・・・そっか~
ツナグ「なんで
残念そうなの?」
ネア「残念そうなんじゃなくて
残念なの?
だって少年は
私の生きた人生の中で
2番目に好ましい男の子だからね~
ツナグ「・・・
・・・え
ツナグ「えええええええええええ!
えええええええええええ!!
ええええええええええええええ!!」
ネア「同じ作詞家でヴォーカルだし
お互いトッププロみたいなものだし」
ネア「少年の
人の心に寄り添ってくれる
優しい歌声は好きだし~
カナデが居なかったら
とっくにオとしに行ってたわ~♪
ツナグ「・・・ウソでしょ?」
ネア「まあ
お姉さんは身を引きますか~
でもね~
少年とカナデに
何かあったら~
ネア「・・・
覚悟しておけよ~?
しょ~ね~ん♪?
ツナグ「・・・」
そう言って
休憩室から立ち去ったネア
ツナグ「・・・」
ツナグ「・・・そんな
ただでさえ魅力あふれる女の子なのに
今まで見た事のないような
そんな可愛らしい笑顔で
・・・そんなこと言われたら
ツナグ「・・・
・・・反則・・だって
ツナグ「・・・ウソでしょ?
・・・僕が
・・・カナデ以外の
・・・女の子から
・・・好かれるなんて




