59話 ”人気主義”を ぶっ壊せ
止まらない大歓声
もはや
バンド喫茶の営業どころではない
バンド喫茶のオーナーが
決断する
ワン リアル アクションの
リーダー
バラドの元に歩み寄る
割れんばかりの大歓声で
声が届かないので
ホワイトボードに文字を書き
それをバラドに見せた
バラド「・・・」
”営業にならないから
今日は帰ってくれ?”
バラドとは
懇意にしている
喫茶店オーナーでも
こればかりは
黙認できなかった
興奮が冷めない
ワン リアル アクションの
メンバー
湧き上がる
感情と想いを言葉にする
ネア「最高なんだけど!
”レア・シーン”が
陳腐に思えてしまうくらいに!!」
ザファイド「僕のギターが
誰かと交われた!
こんなの初めてだ!!」
シアン「これが
探し求めていた
本物だけの音の世界かよ!?
人生の時間で
見つかるじゃねえかバラド!?
本物の音たちがよ!?」
バラド「それを可能にしたのも
”すべてを繋げるワンオール”
そのおかげだ
バラド「なあ 嬢ちゃん?」
カナデ「私なの?」
バラド「嬢ちゃんのヴァイオリン
”異常なまでの調和の旋律”が
ひとりぼっちで 孤独な
誰とも交われない迷子の音たちを
繋いでくれたんだよ?
カナデ「・・・」
バラド「言っただろ?
君の
ワンピースが奏でれば
すべてを繋げる
ワンオールになると?
バラド「まさに体現してくれた
ありがとう」
カナデ「・・・いえ」
バラド「突然で悪いんだけどな
二か月後
ワースクル・アーク
その会場で
ライブをすることが決定した
カナデ「・・・え?」
バラド「この国すべてに
テレビ中継される」
ネア「そこって
10万人も収容できる
どデカい会場じゃない!?」
シアン「一握りの
トッププロバンドしか
使えないような場所かよ!?」
ザファイド「急に
そんなこと言われても!?」
バラド「言っただろ?
お前たちをバンドに誘う時に?
ワン リアル アクション
その目的は
この国の
”人気主義”を
ぶっ壊すこと
カナデ「・・・」
バラド「それが
俺の夢でもあり野望だ
みんなだって
共感できるだろう?」
言葉を失ってしまったメンバー
みんな思い当たるところがある
本物の歌声と音を出せるのに
この国では満足に評価されない
本物を出せないから
あの手 この手で
人気を取ることに必死になり
それで商売をしている
同業者の他のバンドたち
それが この国の
音楽の実態だ
・・・疲れてしまっていた
偽物の
歌声と音とダンスで
評価される この国に
実力が無くても
多大に評価される
この国の”人気主義”に
本物の
歌声と音を出せても
すべてが人気に重視され
誰も
歌声も音も
聴いていない
この国の人間に
バラド「ぶっ壊してやりたいと思わないか?
本物を知らない哀れな教信者共に
本物の音を魅せてやりたいと
思わないのか?
ネア
ザファイド
シアン「・・・」
黙ってしまった
共感しかできない
彼らも
実力があるのに
正当に評価されない
”人気主義”の犠牲者だ
バラド「二か月後の
ライヴ会場で
この国の
”人気主義”に止めを刺す




