57話 本物の音たちの交わり
ワン リアル アクションの
メンバーが楽器を構える
シアン「ぶっつけ本番か?」
バラド「楽譜は送っただろ?」
ネア「いきなりすぎ~」
ザファイド「・・・大丈夫かな」
バラド「嬢ちゃん?
君の旋律から始めてくれ?
迷っている音たちの
道標になってくれ
カナデ「・・・う、うん」
奏でるカナデ
ネア
バラド
シアン
ザファイド「・・・え?
・・・たしかに
・・・この音なら
曲が騒ぎ出した!!
シアン「(”欠けている”じゃなくても
となりにツナグが居なくても
天才は天才か)」
ネア「(これで なぜ
プロになるのを
ためらうんだろうね~)」
ザファイド「(・・・たしかに
この音なら僕のギターも交わえる)」
バラド「来たな?
すべてを繋げるワンオール!!
個性的な
天才的な
それゆえに
誰にも理解されない
本物の音たちが交じり合う!
ネア「さあ
始めようか
私たちの時間だ!!」
カナデ
シアン
ザファイド
バラド「あぁ!」
ネア「・・・
けったりぃ 世界だな
みんな人に合わせて
自分を殺して可能性を潰して
人の顔色うかがって
大衆に紛れて群がって
それでいいのか?
全部 我慢して
自分を出さないで
終わらせて?
そんなのはイヤだって
なんで みんな
そう叫ばないんだ?
これが俺だって
自分を主張して
世界に叫んでやれよ!?
想いのまま解き放って
感情を吐き出してやれよ?
縛る物は何もない
今なら言える
何度だって言える
「これが俺だって!!」
ザファイド「(・・・なにこれ
・・・知らない)」
シアン「(・・・これが
・・・本物たちの奏で?)」
ネア「(・・・ウソでしょ?
・・・知らない世界みたい)」
バラド「(これだよ!
欲しかった音わよ!!)」
カナデ「(・・・
・・・これが
・・・本物の音だけの
・・・交わりなの?)
バラド「さあ!
本番は
ここからだぜ!?
”おい!
この奏で
どこのバンドだ!?”
ザファイド「(いつもの実力の
2倍!いや3倍!!
ちがう!!
それ以上を出せる!!!!)」
シアン「(なんだよ これ!
アガっちまうぜ!!)」
ネア「(・・・ダメ
・・・いつもより
・・・声が出ちゃう)」
カナデ「(・・・これが
・・・本物だけの
・・・音の世界なの?)
カナデ「(・・・そして
それらを
繋げてるのは
私なの!?)
バラド「・・・
・・・見えた
回想 10年前
”あの女の子
最高だよな!?”
”俺 CD100枚買ったぜ!!”
”推しと
握手できるぜええ!!”
バラド「・・・
アイドルと握手がしたくて
必要もないCDを
・・・100枚も買ったのか
バラド「・・・腐ってやがる
・・・この国の人間たちは
音も歌声も
聴いちゃいねえ
バラド「いつから
こうなった?
いつから
人気があれば
クソみたいな
歌声と音で
満足
できるようになった?
こんな”人気主義”なら
実力は要らねえじゃねえか
バラド「・・・
本物の音を
聴かせてやりてぇえな
偽物しか知らない連中に
本物を聴かせてやりてぇえ
バラド「本物の音を出せるメンバーを
集めるのに何年かかる?
何十年かかる?
そもそも
人生の時間で見つかるのか?
仮に
見つかったとしても
本物の音を
繋げられる天才が
存在するのか?」
バラド「・・・
・・・あきらめるしか
・・・ねえのか?
現在から一か月前
ライヴハウス リアルロスト
ツナグたちが
ネアに誘われて
”欠けている”の
1部の連中と
セッションしたとき
カナデ「・・・」
嬢ちゃんの
奏でを聴いたときに
バラド「(・・・
居るじゃねえか!
すべてを繋げるワンオールが!!)
回想 終了
あのときだよ
俺の扉が開いてしまった
この
ヴァイオリンの旋律なら
本物の音たちを
繋げることができる
この奏でなら
それができるのなら!!
バラド「・・・
偽物しか知らねえ
哀れな連中に
本物の音を
魅せてやることができる!!
バラド「・・・ハハハ
夢は
これからだ!!
バラド「ネア!?」
ネア「歌うよ!?
きっと
こうやって生きる方が
苦しいのだろうな
賢い生き方ではない
みんな
少しでもイージーな
生き方を選んだだけだ
器用に生きて居るだけだ
なぜ
苦しむ方を選んだ?
自分に
そう問いかけても
それが俺らしいだろ?
何も
悲しむことではない
言ってやれ?
俺は特別なんだって
普通じゃ
満足できないタチだ
俺は それが良い
カナデ
シアン
ネア
ザファイド「(・・・本物?
・・・これが
・・・本物だけの
・・・音の世界?)
バラド「・・・
諦めていた
本物の音が出せるのに
本物の音が出せない
本物の音を出すと
他のメンバーが
本物の音について来れない
だから俺は
本物の音を出せない
周りと
音を合わせるために
自分の
クオリティを
落とすしかなかった
バラド「・・・憎かった
実力もねえのに
あらゆる手段を使って
偽物の
音と歌声とダンスだけで
通用してる連中がよ
それが
ゆるされている
この国の
”人気主義”がよぉ
世間も
偽物にだまされて
本物の音を知らない
偽物に心酔している
哀れな教信者共が
悲しく見えてきやがる
バラド「どこに行ったって
どこのバンドに参加しても
自分の
本物の音は出せねえ
じゃあ どうする?
諦めるのか?
それは
俺の性に合わない
バラド「・・・俺は
本物の音を
出したいんだ!!
バラド「・・・こいつらとなら
ワン リアル アクションなら!!
バラド「ネア!
カナデ!
シアン!
ザファイド!
・・・みんな
・・・言ってくれる
「我慢するな?
枷を外せ?
お前の
本物の音を出せと」
バラド「・・・
・・・やっと俺は
・・・本物の音を
・・・出す事ができる
バラド「てめえらあ!?
まだ続けられるだろ!?」
カナデ
シアン
ネア
ザファイド「あぁ!!」
”おい!
なんだ
このサウンドは!?”
”身体中に響いて
訴える事をやめねえ!!”
”それに
この魂を震わせる
心を騒がせる歌声と音たち!!”
”・・・こいつら
本物なんじゃねええか!?
バラド「歌え!ネア!?」
ネア「えぇ!!
もっと自由に
もっと自分らしく
生き方がハードでも
俺は構わない
だって その方が
自分を出せるだろ?
そうやって
叫んで行こうぜ?
これが俺だって
世界に叫んでやろうぜ?
大衆に呑み込まれないで
自分を さらけだしてさあ!
窮屈な人生は
もう終わりにしようぜ?
自分が変われば
世界は変わる
生まれ変わる
新しい世界へ!!
オーディエンス「・・・」
バラド
カナデ
シアン
ネア
ザファイド「・・・はぁ・・はぁ・・はぁ」
オーディエンス」・・・・・・」
ウオオオォォォォォォォオオ!!
オオオオオオオオオオオオオオ!!!
オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!




