53話 シアンが欲しかった物
・・・これが・・希望?
ツナグ「シアン?」
シアン「・・・」
”うぜえんだよ!
てめえのベースの音はさあ!?”
”やめてくれ!
みんなの音が霞むだろう!?”
”ついていけるわけねえだろ!
お前の音のクオリティに!?”
シアン「・・・」
カナデ「シアン?」
シアン「・・・俺は
俺は
絶望しか見て来なかった
誰にも理解されず
誰も俺の音を
受け止めてくれない
挙句の果てには
”壊し屋”とまで
呼ばれるようになった
ヴェル「・・・」
シアン「”妥協”と言う言葉が
何度も頭をよぎった
周りの音を
壊さないために
音のクオリティを下げる
それが
”本物”の宿命
わかってるんだよ!
頭でわさあ!
わかってるんだけどさあ!!」
リエル「・・・」
シアン「・・・俺は
本物の音を出せないで
生きるのが辛かった
ティア「・・・」
シアン「だから探した!
俺の本物の音を出せる
メンバーを!
探して!
探して!
探して!!
求めて!!
それでも
見つけられなくて!!
もう
あきらめてた!!
この世界に
希望なんてないってさああ!!
カナデ「・・・」
シアン「・・・でも
・・・でも
・・・やっと
・・・見つけた
ツナグ「・・・シアン」
シアン「ツナグ?
最初から
わかってたんだろ?
カナデ「え?」
シアン「俺が
曲のテーマに出した
お題の意味を」
カナデ「そういうことだったのね!!」
ツナグ「絶望→立ち直り→希望
シアンが
欲しかった物だろ?
シアン「・・・」
ツナグ「1曲目の絶望は
シアンの立場になって
歌詞を書いてみた
きっと
理解してくれる
音たちが居なくて
本物の音を出せなくて
絶望してるシアンを」
ツナグ「2曲目の立ち直りは
僕の目線から歌詞を書いた
絶望してるシアンに
立ち直って前を向いて欲しかった」
カナデ「だから
2曲目の歌詞のタイトルが
”もう一度
前を向くために”
だったのね?」
ツナグ「そして3曲目は
シアンが希望を
見つけられたのを想像して
そのとき
シアンはどう想うだろうって」
シアン「・・・」
ツナグ「想像して歌詞を書いたよ?」
シアン「・・・
・・・ここにも
・・・本物が居た
ツナグ「え?」
リエル「僕のときと同じだね?
僕の絶望を
ツナグの歌詞が消してくれたんだ
僕の身体の痛みも」
ヴェル「(おい?
精神障害者みたいなことを
匂わせることは!?)」
リエル「(いいだろヴェル?
だって僕らは仲間なんだから)」
シアン「ツナグ?
お前もう
言葉で人を癒す
仕事をしろよ?」
カナデ「じゃあ
作詞家で良いんじゃない?」
シアン「歌もうまいしな」
ヴェル「じゃあ
シンガーソングライターか!?」
ティア「曲がないですよ?」
カナデ「じゃあ私が創る!!」
ネア「いいね~
そうやって
プロを目指せばいいじゃん?」
ツナグ「でも
そんな簡単に
なれる物じゃないでしょ?」
ネア「・・・
なれるよ?
すっご~~~~~~く
簡単に
ツナグ「それは
トッププロバンド
”レア・シーン”の
ヴォーカルだから
歌に天性の才能が
あったから言えるんでしょ?」
ネア「ちがうちがう
簡単になれる
理由があるの
いま
その力を
”欠けている”の
メンバーは
手に入れたのだからね
ツナグ
カナデ
ヴェル
リエル
シアン
ティア「・・・え?」
ネア「さあ
プロになってみる?




