44話 本物を越える本物
まあ 正直 歌詞も曲も
完成するとは思ってなかった
歌詞さえも
曲さえもできない
それが普通だ
まさか
それらが
わずか半日で
3曲も完成して
今は
音合わせをしている
・・・おかしいだろ
・・・これ?
そして
もっとおかしいのは
このバンドだ
俺らは昨日
結成したばかりのバンドだ
メンバーだって
昨日が初対面
なのに
なんで
こんなにも
・・・いや
・・・おかしいだろ?
なんで
こんなにも
リエルの大豪邸 地下室
カナデ「・・・」
シアン「(・・・
なんで こんなにも
音が調和するんだ?
カナデ「みんな?
手ごたえはどう?」
シアン「(・・・この
・・・カナデって女
・・・どんな音でも
・・・繋ぐ
シアン「(・・・おかしいだろ?
皆 好き勝手な音を
奏でてるだけだぜ
なんで形になる?
調和なんて
欠片も考えていない
個性
丸出しの音たちだぜ?
俺だから
よく聴けば
わかるけど
・・・これに
・・・さらに
・・・クオリティが
・・・加われば
個性の化け物の音たちを
なんで
カナデって女は
ヴァイオリンの旋律だけで
すべての音を
アンサンブルできる?
しかも
リエル「・・・」
シアン「(・・・リエル)」
リエルさんのキーボードは
引き出す人間によって
さらに彩が変化し
鮮やかになる
シアン「(そのリエルの個性を
”異常なまでの調和の旋律”が
引き出せば
リエルは
天才と組めば
化け物に
なるんじゃねえか?)」
シアン「(・・・
こんなバンド
見た事ねえぞ!!)
シアン「・・・おい?
どうなってやがる
このバンドわよ?」
ツナグ
ヴェル
リエル「え?」
シアン「・・・初めて
本物を越える本物を見た
シアン「やっぱ
こんな
ちっぽけの
お遊びバンドで
何してるんだよカナデ?」
カナデ「昨日
説明したはずよ?」
シアン「そうだったな」
シアン「おい てめえら!?
このまま
音のクオリティを上げるぞ!
まだ 足りねえ!!
最終日には
マジ物のソウルを
魅せてもらうからな!?」
ヴェル「仕切りやがって」
リエル「まあ
この”欠けている”のバンドで
1番 技術があるんだし」
ティア「それは保証しますよ?
彼は本物です」
ネア「面白い事に
なってきたわね~」
シアン「(・・・やっぱさ
カナデの
”異常なほどの調和の旋律”
それを
引き出してるのは
ツナグ「・・・」
シアン「・・・」
私は
この”欠けている”のバンドでしか
本当の実力は出せないよ?
シアン「(15年以上の
信頼で結ばれてる
ツナグのおかげか)
シアン「(・・・)」
シアン「(あの話
どうっすっかな~?
無理じゃねえの?
バラド?)
回想
本物だけを集めた
本物の音を出せる
本物のバンドを結成する
そのメンバーに
ネアにシアン
カナデって嬢ちゃんを
スカウトしたい
ワン
リアル
アクション
それが
俺たちの本物の音を出す
本物のバンド
そのバンド名だ




