41話 本物の宿命
あの時セッションした
小僧を連れて来て
どうした?
ライヴハウス リアルロスト
ツナグ「(そういえばバラドさん
トッププロバンドの
”レア・シーン”の
リーダーだった・・・)」
ティア「シアンのこと
ツナグに話してくれませんか?」
バラド「シアンからは言わないのか?」
ティア「バラド視点で聞きたいのです」
バラド「・・・
場所を変えよう
バンドメンバーに
聞かれたら困る
楽屋
ツナグ「シアンのこと
教えてくれるのですね」
バラド「”本物”だからな
合うバンドを探しに
彷徨うことになってしまった
俺は あいつと
心行くまで
本物の音を出したかった」
ツナグ「なのに
レア・シーンに
入れなかったのですね?」
バラド「俺と
あいつが本気を出したら
他のメンバーの音が
霞むんだよ
ネア「じゃあ
私の歌声も
バラドを満足させられていない?」
バラド「いや
ネアも本物だよ?
”邪魔にならない本物”だ
だからネアには
レア・シーンに居ても
問題ないのだが
まあ
ネアみたいな特殊例以外は
周りと音を合わせるのに
音のクオリティを落とすのが
本物の宿命だ」
ツナグ「・・・」
バラド「シアンは
それを激しく嫌ってる
あいつも
本物の音を出すと
周りの音が全部 霞む
だから
どのバンドにも嫌われる
サトルも
ワトソも
本物ならば
俺も本気が出せるんだけどな」
バラド「本当わな
俺とネアとシアンと
それと
カナデって嬢ちゃん
ツナグ「・・・」
ネア「(そこで
ワン
リアル
アクションを
匂わせるの?)」
バラド「そいつらと
バンドを組めたら
本物の音が
俺も出せるんだけどな
ツナグ「・・・
本物の音を出せる
バンドメンバーを
探そうとは?」
バラド「・・・
本物って
そう居ねえんだよ?
バラド「探してたら
何十年かかるか
わからねえぞ?」
ツナグ「・・・」
バラド「シアンは
本物なんだけどなぁ
さいきん
つまらねぇ音を
出しやがって
ツナグ「・・・え?」
ティア「知ってるのなら
教えてあげないのですか?」
バラド「俺が
どんなスタイルか知ってるな?」
ティア「(気づかせるタイプだったか)」
バラド「小僧?
せっかく
本物がバンドに
二人も居るんだ
つまらねぇ
歌詞と歌声
出すんじゃねえぞ?
ツナグ「・・・は・・はい」
帰り道
ツナグ「・・・恐怖でしか
・・・なかった」
ネア「でもシアン
本物の音が出せるのに
本物の音を出せないって
もどかしいよね」
ティア「”邪魔にならない本物”には
わからない苦労ですね」
ネア「皮肉ってる~?」
ティア「誉めてるのですよ?」
ツナグ「・・・」
ネア「スーパー寄って帰りましょう?
お酒とかも欲しいし」
ティア「飲める歳じゃないでしょ?」
ネア「もう
成人してるもん!!」
ティア「お酒は20歳からです」
ティア「・・・まさか?」
ネア「の、飲んでないわよ!?」
ティア「・・・何も
言ってませんが?」
ツナグ「・・・」
回想
カナデって嬢ちゃん
あいつとなら
俺も本物の音を
出せるんだけどな
小僧?
つまらねぇ
歌詞と歌声
出すんじゃねえぞ?
回想 終了
ツナグ「・・・・
・・・・・もしかして僕は
まったく
カナデの音に
レベルが・・・
ツナグ「(・・・そりゃあ
トッププロバンドのリーダーに
”本物”って認められるくらいだ)」
ツナグ「・・・
・・・・・・
・・・このままじゃ
・・・僕はダメだ




