36話 ウソつきだった自分にサヨナラ
・・・お前さ?
こんな
ちっぽけな
お遊びバンドで
何してるんだよ?
リエルの大豪邸 地下室
カナデ「え?」
シアン「ネア?
カナデが
”レア・シーン”に
入りたいと言ったら
どうする?」
ネア「・・・
超めっちゃ
大歓迎なんだけど~~!!
ネア「むしろカナデが
”欠けている“作ると
言わなかったら
あの手この手で
スカウトしてたし」
ネア「毎朝
少年とカナデの
セッション聴きに行くの
楽しいのもあるけど
カナデ勧誘が最大の目的だし
バラドからも
”スカウトしてこい”って
言われてるのよねぇ」
ツナグ「・・・え」
シアン「お前のヴァイオリンは
平気で数百億と
稼げる力があるんだよ?
レア・シーンだけじゃない!!
どこのトップバンドだって
お前の
”異常なほどの調和力の旋律”は
欲しがる!!
何してるんだよ!
こんなお遊びバンドで!?
ヴェル
リエル「・・・」
ツナグ「・・・」
カナデ「私わね~
このバンドが
”欠けている”が好きなの
シアン「あ?」
カナデ「今はまだ
私も含めて
バンドとして
みんな未熟かもしれない
でもね
欠けているなら
埋め合えばいいだけでしょ?
シアン「・・・」
カナデ「そうやって
お互いを育てて
育てられて私もね
みんなの音が
私のヴァイオリンを
育ててくれるの
シアン「・・・」
カナデ「それに みんな
欠けているだけじゃない
ヴェルの個性は
最大限に発揮すれば
ヴェルにしかない
音楽の武器になる
リエルさんの
キーボードは
引き出す人間次第で
さらに
彩りは鮮やかになる
ツナグの歌声と歌詞は
すべての人の感情を
良い意味で
ぐちゃぐちゃにできるの
シアン「・・・」
カナデ「そうやっていけば
それは
欠けているけど
欠けていない
埋め合って
みんなで成長して
シアン「・・・」
カナデ「それが
”欠けている”なんだよ?
シアン「・・・これは
・・・おもしれー
・・・バンドになるな
シアン「なんたって
俺に言われて
調和を重視するようになった
ティアも
好きなようにドラムを
叩き出したもんな」
ティア「・・・カナデの旋律が
・・・告げるのですよ
・・・心の奥底にダイレクトに」
シアン「なに?」
ティア「・・・
”我慢してるんじゃないよ?”
”もっと感情を剝き出しにしなよ?”
”繋いであげるからさ?”
シアン「・・・」
ティア「・・・気づいたら無意識に
・・・好きなように
・・・ドラムを叩いていた」
シアン「・・・
・・・本物じゃ
・・・ねえかよ
カナデ「ネア?
私は
レア・シーンに入っても
お払い箱にされるよ?」
ネア「なんで!?」
カナデ「私が
こんな音を奏でられるのわね
ツナグがとなりで
歌ってくれるからなんだぁ
ツナグ「・・・カナデ」
カナデ「10年前
君の歌声に心惹かれ
君の歌詞に心奪われ
気が付けば私は奏でてた
君の歌声に
私の曲を重ねたくて
カナデ「カナデって名前だから
奏でることを選んだんじゃない
君が歌うとなりで
私が奏でたいから
私は
奏でることを選んだ
ツナグ「・・・」
回想
ツナグ「そういえば
なんでカナデは
奏でることを
選んだんだ?」
カナデ「・・・
カナデって名前だから
奏でることを選んだんだよ?
回想 終了
ツナグ「・・・あの時のわ?」
カナデ「本当
私は
いつも
ウソをつく
だって
本当のことを伝えたら
君の事が好きだって
バレてしまうから
ツナグ「・・・」
カナデ「あ~ぁ~
ずっと
ウソをついて
きたのになぁ~
ツナグとの夢を
1つ叶えたら
枷が外れちゃった~
カナデ「だからねシアン?
そうやって
私は もう
10年以上
ツナグの歌声に
私の曲を乗せて
ツナグの歌詞に
私のメロディを奏でて
もう
ツナグじゃないと
ダメなんだ
シアン「・・・」
カナデ「だから私は
ツナグが居る
”欠けている”でしか
本当の実力は
出せないよ?」
シアン「・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・」
おもしれー女!!
シアン「しかも
初対面の人間巻き込んで
想い人に告白しやがって」
カナデ「告白??」
シアン「まあ
カナデの
皆の音を導く力があれば
”欠けている”の
バンドも
超一流に
なれるかもな




