2話 ツナグとカナデ
・・・大嫌いなんだよ
・・・自分の名前が
「・・・
私は大好きだよ!!
「・・・」
「・・・私は!
ツナグが大好き!!
・・・
・・・それって
(僕の事?
それとも
名前の事?)
「それにね
私も自分の
カナデって名前が
大好きなんだ」
「カナデって名前だから
奏でる事を選んだ」
「そして
奏でる事ができたら
何ができると思う?」
なに?
「奏でる事ができるとね
君の歌声に
メロディーを
重ねる事ができるの
「それって
とても
ステキでしょ?」
・・・
「奏でるから繋いでよ?
君の歌声と
私のメロディーを
繋いで?」
・・・
・・・・・
・・・
僕にできるかな?
「・・・
君なら繋げる
だって
君の名前は
ツナグだもん
・・・カナデ
「・・・
さあ
朝のセッションの
時間だよ
はじめよう?
繋ぐと奏でを
ヴァイオリンを取り出して
構えたカナデ
・・・この音
「・・・」
楽し気で明るくて
はしゃいでるような
無邪気な子供たちが
遊んでるような
そんな奏でだね
「今日は
こんな感じで
奏でたいな」
・・・即興で創った曲に
歌詞を合わせろって
どれだけ
ムチャ言ってるか
わかってる?
「・・・
君なら
繋げるでしょ?
・・・
「はじめるよ?」
・・・わかったよ
繋いでやるよ!!
今日だって君と
出逢って過ごして
別れて
また出逢って
明日も今日と
同じ事ばかり
繰り返すんだろうな
あれ これって
僕は
いつも君と居るね?
この気持ち
何て言うんだろう?
・・・わかってるよ
・・・言葉でわね
二人
だんだん見つめた空に
きらめく想いが1つ
君のメロディーに歌声
繋いで奏でるの
「傍に居るよ?」と伝えて?
「ここに居るよ?」と感じさせて
君と
繋がっていたいんだ
今朝の
青空に願うのは
君と見つけた心
君の感情に想いを
繋いでザワつくの
君の奏を聴いて
僕の歌声を繋いで
いつまでも
重ねていたいんだ
想い始めてから
君の事ばかり考えていて
変に意識してるね
こんなこと
なかったはずなのに
もう
ぐちゃぐちゃにしないで?
僕の この心
こう想ってるの
僕だけ?
なんか腹が立ってきた
いつも
顔を合わせてるのに
新鮮に想うのは何故?
いつも
言葉交わしてるのに
心が
ザワつくのは何故?
わかってるよ?
言葉でわね
・・・ちがう
・・・言葉だけじゃない
・・・身体に
・・・感じちゃってる
二人 重ねた唇
ついに
ここまでしちゃった
僕の心が
はやく鼓動打って
止まらないの
「傍に居る」と気づいちゃった
「ここに居る」と感じちゃった
・・・君の
・・・せいだからね?
歌い終えて
弾き終えて
感動に浸る
ツナグとカナデ
「ここで うまく
ツナグとカナデ
二人の名前を使うなんて
やるじゃないツナグ?
とても
即興で創った
歌詞とは思えない」
ちがうよ?
即興で創ったから
二人の名前を
使うしかなかったんだよ?
「フフ
そういうことか♪」
ナイス
ヴォーカル
アンド
ヴァイオリン
え?
”良いセッションだったよ”
「ヤダ
聴いてた人が居たなんて」
”朝から
良い物を聴いちゃった
ねえ?君たちって
いつも ここで
セッションしてるの?