16話 それは”欠けていない”
すごかったな
あの“繋ぎ手”
楽屋
ネア「カナデなら
シアンを満足させられそう?」
シアン「音を合わせてみないと
わからねえけどな」
ティア「今度こそ
”本物”なら良いのですけどね」
ネア「まあ
確かめてみてよ
それが
ワン
リアル
アクションの
結成に
繋がるかもしれないしさ?
夜22時 帰り道
ヴェルは
先に帰ったよ?
カナデ「親友に呼ばれて
どうしても行かなきゃ
いけないんだって」
ツナグ「あれほど
打ち上げしようって
言ってたのに?」
カナデ「すごかったね
路上ライヴだったはずが
ライヴハウスで
曲を披露するなんてね
しかも
50人も居る
お客さんの前でね」
ツナグ「・・・」
カナデ「バンドってすごいね
奏で方次第で
あんなに
興奮して
叫んで
魅了されて
感動して
言葉を失ったり
涙を流したり
カナデ「オーディエンス
いろんな顔をしてくれるんだね」
ツナグ「そうだな」
カナデ「フフ♪」
ツナグ「なんだよ?」
カナデ「ツナグの考えてること
わかっちゃった」
ツナグ「え?」
カナデ「だって
バンド
創りたいでしょ?
ツナグ「・・・なんで?」
カナデ「ツナグが
ネアさんたちの
演奏を見て
あんなに
悔しそうにしたり
強がったり
産まれた時から
一緒に居るけど
そんなツナグ
初めて見たなぁ」
ツナグ「(・・・見透かされてる
・・・幼馴染には
・・・ごまかせないのか?)」
カナデ「だから しよう?」
ツナグ「え?」
カナデ「・・・
私と
バンドしよう?
ツナグ「・・・」
カナデ「私じゃイヤ?」
ツナグ「・・・僕で・・いいの?」
カナデ「・・・
ツナグじゃないと
ダメなんだ
ツナグ「・・・カナデ」
カナデ「・・・
みんなの音が
救ってくれる
カナデ「いつも毎朝
ツナグとセッションしてるけど
私の音
そう
想ってくれてたの?
ツナグ「・・・」
カナデ「私の曲に
こんなにステキな歌詞は
世界中を探しても
ツナグしか創れない
カナデ「私の曲に
あんなにステキな曲を
15年以上
今まで見たよりも
最高な笑顔で
カナデ「創ってくれて
ありがとう」
ツナグ「・・・その
(純粋でしか
創られていない
その
笑顔は何だよ?)
ツナグ「・・・」
カナデ「ヴェルも
誘ってみてさ
あと
ベースとドラム
キーボードも欲しいなぁ」
ツナグ「バンド名は?」
カナデ「・・・う~んと
夜空を見上げる
カナデ「今夜は
月が欠けてるね?」
ツナグ「そうだな」
カナデ「じゃあ
バンド名は
”欠けている”
カナデ「で どう?」
ツナグ「・・・安易過ぎない?」
ツナグ「まあ いいや
僕にはピッタリのバンド名だ」
カナデ「どこが?」
ツナグ「・・・僕は
・・・人として
・・・欠けているから」
カナデ「・・・
それは
欠けていない
ツナグ「え?」
カナデ「ってかさ?
欠けていない
人間なんて
居ないんだよ?
カナデ「みんな
どこかが欠けてるの
だったらさ?
欠けているなら
埋め合えばいいでしょ?
カナデ「欠けている私たちを
埋め合えばいいの
これが
バンド名の由来だよ?」
ツナグ「・・・
(・・・欠けている僕を
・・・肯定してくれるんだ)
カナデ「じゃあ
バンド名は
”欠けている”に決定
ツナグは
私の下僕だから
従うしかないんだよ~?」
ツナグ「だから
いつから
そうなったああああ!?」
カナデ「(・・・)」
カナデ「(・・・君がいけないんだよ?
あのとき私に
歌と
歌詞を
魅せたから
カナデ「(・・・
・・・君の
・・・せいだよ?




