遠い昔に親友はいた。そして俺は風になった。
俺、戸津。
親友が死んだ、と聞いたとき、床井天音と俺で新庄雄太の最期を看取れなかったことをものすごく悔やんだ。
床井と新庄と俺は高校の時からの仲良しであった。
グループチャット名の横の人数を見やると3だった。無情だ。暖かい涙が頬を伝う。
<・・・悔しいな〉
と書き込むとすぐに返事は来た。同意の返事だった。
<こんど会わないか?〉
またも返事はすぐ返ってきた。床井の返事は俺の提案を肯定していた。
その時、窓を開けていないのにアパートに風が少し吹いた。その風に俺は新庄の気配を察した。そして新庄が「これからもよろしくな」と言っている気がした。
「こちらこそ」とつぶやいた。
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