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第19話(1)

 魔道具というと少々仰々しく聞こえるが、

 言ってしまえば小道具と遜色ない。

 魔力が込められている分、

 普通の小道具に比べて扱いやすいというだけだ。

 ただ、中には仰々しい効果の魔道具も存在する。

 それなのに、そんな凄い魔道具を作っても

「これはオモチャです。」

 と言い切ってしまう変人が城下町にはいた。


 リック・ベンハー。

 お調子者の超能力者。

 王宮騎士団第一軍から誘いがあったものの、

 それを丁重に断り家の稼業である玩具屋を受け継いだ。

 からくり仕掛けのオモチャを作るのが得意で、

 城下町の子供達に人気が高い。

 もっとも、そのオモチャの殆どが

 魔力の込められた非常識な物であるので、

 子供に買い与える親からしてみれば、

 かなり慎重に選んでしまうのも頷けた。

 オモチャを並べている商品棚には、

 適用年齢何歳以上と記載しているので、

 まあ大丈夫だとは思うのだが……

 中には

 適用年齢15歳以上(この世界で15歳以上は成人)

 の物もあり、

 果たしてそれはオモチャなのかとツッコミたくなる。


 店は毎日、お昼前に開店する。

 午前中はオモチャのメンテなど、

 やる事が意外と多くあるからだった。

 その開店したところに、

 大きな革袋を背負った男がやってくる。

 濃いカーキ色のローブを身にまとっているが、

 前は閉じずに開けていたので、

 鍛え上げられた筋肉が簡単に見て取れる。

 そして一部の隙も無い佇まい。

 リックはその男を見て、とても懐かしそうな顔になった。

「グラッグさんじゃないですか!

 いつ城下町に?」

「ついさっきだ。

 ちょっと西区に野暮用でな、またすぐ向こうに戻る。

 こっちはいつも通りか?」

「私はいつも通りですけど、

 城下町はって言うと慌ただしいですよ。

 銀等級に昇格した冒険者たちが発見した遺跡とか、

 マハラティーニの聖堂院から司祭様が来てるとか、

 そんな話題が溢れていて。」

「冒険者の話は聞いている。

 司祭はハイエルフのお偉いさんだろ。

 名はゲールだったかな。

 貴族出身の司祭だと聞いたことがある。」

「え、貴族?

 噂じゃ、こっちに来てから酒場巡りしてて

 庶民に愛想の良い司祭だって聞いてたんですけど。」

「結構な変わり者だと聞いたことはある。

 引きこもりの王子と仲が良いって話もあったな。」

「変なことに詳しいですね。」

「俺もマハラティーニで仕事していた時があったからな。」

 店前で話し込んでいると、そこに男女2人組がやってくる。

 女性の方から話を切り出してきた。

「その話、詳しく聞かせてもらえないかしら?」

 リックとグラッグがその2人を見て素直に驚く。

「これは驚いたな。

 ヴェスターのみならずハイエルフの魔法剣士殿も一緒とは。」

 ヴェスターは軽く笑顔でこたえる。

「お久しぶりです。

 ラルド将軍からの依頼ですよね?」

「耳が早いな。

 今からその依頼で西区に戻るところだ。

 歩きながらの話でいいか?」

「いいですけど、その前に。」

 ヴェスターは言いながらリックに振り向く。

「こちらのお店で杖を取り扱った事はありますか?」

 珍妙な問いに、リックは

「は!?」

 と口に出してしまった。

 軽くせき込み、ヴェスターにこたえる。

「いえ、うちは玩具屋なので、流石に杖は無いですよ。」

 ヴェスターも、まあそうですよねえと言いたげな顔をする。

「いや、失礼しました。

 ではグラッグさん、行きましょうか。」

 グラッグは、リックにまたなと手を振り、

 ヴェスターとスージーの2人と共に西区へ歩いていった。


 ようやく落ち着いたところで、

 リックは店に入ろうとするが、またも呼び止められる。

 黒髪ショートヘアの美女、ヤタであった。

「ご主人、こちらに瞬間移動できる魔道具を

 売ってたりしていないかや?」

「は!?」

 唐突な問いの連発に、リックはまたも素直な気持ちを

 口に出してしまっていた。

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