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第18話(1)

 ケイトが王宮魔法陣の塔から出てくると、

 外ではドールが待っていた。

 あ、一緒に行く話してたのに、

 怒りに任せて一人で突っ走ってしまったわ。

「ドールごめんね。

 勢い余って先に一人で来ちゃったわ。」

 ドールにしてみればいつもの事なのか、

 気にした様子は無い。

 怒りが頂点に達すると、聞いた事も忘れて猪突猛進するのは

 何度となく経験済みであった。

「いえ、大丈夫です。

 それよりも金色の許可証を受け取ってしまったのですが、

 ケイト様もでしょうか?」

「ええ、サッと受け取ってしまってて、色を確認したのは

 ついさっきよ。」

 ドールは、ポーラ様に指摘されたんだろうという状況が

 目に見えていた。

 とりあえず怒りを落ち着かせるため、

 王城までゆっくり歩いていく。

 だが、ゆっくり歩いたら歩いたで、

 今度はエレナ女王とのやりとりを想像し出し、

 うーん、と唸りながら悩むケイトなのであった。


 その、悩んで歩いているところに、

 正面から見慣れた筋肉ムキムキの巨体がやってくる。

「ミシュラン!?」

「ミシュラン様、おはようございます。」

「あ、ケイトさん、ドールさん、おはようございます!」

「ミシュラン、王城関係の仕事でも始めたの?」

「いえいえ、実はポーラさんから金等級冒険者として

 地下遺跡調査の仕事を請け負っていたのですが、

 まだこちらの仕事が終われそうにないので、

 もう少し後になりますと連絡に行くところです。」

「……ポーラ、猫の手も借りたい状況みたいだけど?」

「そこは了承して頂くしかないですね。

 ポーラさんも分かっている事ですので。」

 ん?

 ポーラが分かっている?

 て事は、こちらの仕事っていうのも王城関係って事か。

 これは聞かないでおいた方がいいわね。

 藪をつついたらキングコブラの大群が出てきそうだわ。

 そう思っていたのだが、今日のミシュランの口は軽かった。

「マハラティーニから来訪されているメリルさんの護衛自体は

 何も問題無いんですが、今日あたり何かが起きそうな気が

 するんですよね。」

 あ……

 ガチで聞きたくなかったわ、その話。

 ケイトの訝し気な表情に、

 ミシュランが顔を覗き込むように問いかける。

「……極秘来訪のメリルさんの件についてはご存知ですよね?」

「ついさっきポーラの口からご存知になったばかりよ。

 スージーの方はどうなの?」

「ケイトさんのお父様が護衛についてますよ。

 スージーさんの部下3名には御庭番のトップ3がつきました。」

「……なるほど、王国の実力者4人がそっちに動いているから、

 金等級のミシュランに白羽の矢が立ったわけね。」

 御庭番のトップ3に序列4位のロバスと6位のトレーシーは

 別件の仕事で動いていた。

 そうなると総責任者のセイクレッドは護衛団本部から

 身動きできない状態なのは明白。

 皆、とんでもなく忙しいって訳だ。

 ……あたしもその忙しい一人になってるけどねー。

「色々情報ありがとう。」

 そう言って去ろうとするケイトとドールに、

 ミシュランが声を掛ける。

「ケイトさんは昨夜の大量の魔素出没について、

 何か心当たりはないですか?」

「あー、アレね。

 家に流れてきたのは回収したけど、

 その出処まではさすがに分からないわ。」

 ケイトもドールも気になっていたが、

 分からないのは事実だった。

 それじゃ、と言ってミシュランと別れる。

 その後、ドールが疑問を語り出す。

「ケイト様、あれだけの大量な魔素が流れ出た場合、

 魔石ができて魔獣や妖獣の類が生まれる可能性が高いです。

 それなのに今朝は、その魔素の残滓が微塵にも感じられません

 でした。

 私たち魔法街の住人以外にも魔素を回収した者が

 少なからずいると思われます。」

「魔法街以外でってなると、考えられる施設は学園と病院。

 でも位置的に魔法街からは遠い距離よ。

 あれだけの魔素が数箇所に渡って一度に発生したとは思えないから、

 学園と病院の線は無い。

 何か……

 得体の知れない存在が城下町に潜伏している可能性が高いわ。」

「少なくとも味方ではないですね。」

「エレナ女王もどこまで把握しているんだろ……

 あーなんか考えれば考えるほど、聞きたい事が増えていくわ。」


 そしてこれからケイトにとってはフランソワ並みに地獄的な、

 エレナ女王との対談が始まる。

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