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第17話(2)

 王宮護衛団の王城区域班“御庭番”は、

 同区域内にある宿舎に寝泊まりしている。

 その女性宿舎では、

 死んだ魚の目のような銀髪ロン毛のミズと、

 何度寝ても寝足りない顔した金髪ロン毛のヌエと、

 もう既に身支度整えていつでも出勤OKなヤタの、

 3人の美女が食堂のテーブルで朝食をとっていた。

 席に座った時、ヤタが2人を見て軽くため息をつく。

 …まともなのはアタシだけかや。


「ミズ、お主いつまでそんな目をしておる。」

「ヤタ…この世にはね、地獄が実在したのよ。

 も、もうあんな修練は…イヤ…」


 昨夜に聞いた話、ま~だ引きずっておるのか。

 もはや忍者の台詞ではないの。

 女王護衛団“白銀”の筆頭サイレンか…

 どんだけとんでもない女なんじゃか。


 だがヤタの次の一言は、

 確実に2人を目覚めさせるものであった。


「ミズ、ヌエ。

 ロバスから仕事の話じゃ。」


 2人とも目の色が変わる。

 ロバスから言われる時は、

 何かしら大きな厄介事が絡んでいるもの。

 新たな敵の存在を思わず期待してしまう。

 寝ぐせの激しい金髪ロン毛のヌエが前のめりになった。


「もったいぶらずに、さっさと話せよ。」

「なんじゃヌエ、いきなり目が覚めたか。

 内容は一つじゃ。

 封魔術と転移の依り代を行使する

 若い男を捜し出せ。」


 これを聞いた瞬間、

 ヌエがガタン!と席から立ち上がった。


「転移の依り代だと…!

 あれは忍者の秘術だぞ!!

 敵は忍者なのか!?」

「忍びらしく少しは落ち着かんか、ヌエ。

 ただ、その可能性も捨てきれんのは確かじゃ。

 妙なのは封魔術も使えるという事よ。

 この王国内では7人しかおらん。

 それ以外となると他国から来た者…

 だが封魔術師は、入国時に自身の能力を示す

 申請書に記載し提出する事が義務付けられておる。

 世界共通でな。

 ミズはアタシと一緒にその申請書を洗う。

 ヌエは昨夜アタシとロバスが奴に出会った現場へ行け。

 奴の痕跡を掬い取ってくるのじゃ。」


 ヤタの声に、ヌエはニヤリと笑って席につく。


「このヌエにそれをやらせるかい…

 て事は、ロバスの旦那はそいつを

 モグリな野郎だと睨んでいるってわけだ。」

「ああ、そうじゃ。

 じゃから、もし不意に遭遇したら遠慮はいらんぞ。

 何せ規格外の業を惜しげも無く行使する奴じゃ。

 本気で殺す気でやっても簡単には死なんじゃろうからな。」


 これを黙って聞いていた銀髪ロン毛のミズは悟っていた。

 敵は想定外の脱出用に転移の依り代を用意するほどの

 周到さで慎重な性格。

 不意に遭遇する事は、まず有り得ないでしょうね。

 暴走しがちな男勝りのヌエに与えた役目は、

 あくまで痕跡の採集のみ。

 その仕事を確実にこなしてもらう為に、

 ヤタはわざとけしかけるような事を言ってるに過ぎない。

 …ヤタも役者よねえ。

 まあ、万が一にでも遭遇したら、

 それはそれで面白くなるんでしょうけど。


 ミズは黙っておるところを見るに、

 アタシの語った事を把握したようじゃの。

 なら今後の予定も話しておくか。


「ミズは申請書を洗い終えたらロバスに合流せい。

 修練の成果を発揮してもらう可能性が高いでの。」

「…どういう事?

 ヌエに頼んだ奴以外にまだ何かあるの?」

「巨大アリクイのゾンビが2体、

 ヌエに頼んだ奴が持ち去っておる。

 詳細は後で話すとして、

 奴はあの巨大ゾンビを何かに利用する可能性が高い。

 用心して行け。

 アタシとロバスの見立てでは、あのゾンビ2体は

 ドラゴン・ゾンビと遜色ない強さじゃからの。」


 不死の力を得たゾンビか…

 怨念で生まれたとしたら、かなり厄介よね。

 でもまぁ、ロバスの旦那がいるなら何とかなるか…な?


「分かった。

 それで、ヤタはどうするの?」

「アタシは転移の依り代の出処を探る。

 もし忍者でなければ、

 アレに類似した魔道具があるはずじゃ。

 玩具屋を訪ねてみようと思う。

 あそこの子煩悩な旦那が悪行に手を染める事は

 無かろうが、心当たりを聞けるかもしれんでの。」


 ロバス直属のくノ一3人が本腰を入れて動く。

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