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第13話(2)

 夕方。

 ケイトは暗くなる前に自宅に戻っていた。

 ロバスの調査は今夜。

 あたしが今日やれる事は無いわよね。

 そう思いながら探偵事務所の玄関を開ける。

 するといつもなら

『お帰りなさいませ。』

 とドールがいるのだが、今日は珍しくいなかった。

「あれ?」

 ふと、家の中でパタパタと小走りな音が聞こえる。

 家の地下にある母の錬成所から薬局を行ったり来たり・・・?

 何やってんのかしら。

 気になって母アニスの薬局に顔を出すと、母が大量のポーション(薬瓶)の木箱を前に、数量チェックしていた。

 すると後ろからドールがパタパタとスリッパの音よろしく、木箱を抱えて持ってくる。

「あ、ケイト様、お帰りなさいませ。」

「ただいま。

 こんな大量のポーション、どしたの?」

 すると母が即回答。

「ダリエンソ山の迷宮内で有毒ガスが噴き出たんだって。

 冒険者たちが何人も倒れこんだとか。

 調査に向かった第4軍の騎士団も結構な人数が毒喰らったみたいでね。

 それで急遽大量のポーションが発注されたのよ。」

 西端国境の山にあるっていう巨大迷宮か。

 母の声色がとっても明るいから、お急ぎ(即時製作)の条件呑むかわりに大金吹っ掛けたんでしょーねー。

 いつもの悪女は健在だわ。

 ケイトはどこか意味深な顔で

「なるほどねー。」

 と簡素に声をポロリ。

「・・・ケイト、今、失礼なこと思わなかった?」

 こういうとこは相変わらず鋭い感してんだから。

 これにはわざとらしく首を横にブンブン。

「ううん、ちっとも。」

「まあいいわ、騎士団の馬車が来たら木箱積み込むの手伝って。」

「はいはい。」

 言ってる矢先に馬車の音が聞こえたかと思うや、すぐに姿が見えて家の前で停車した。

 先頭の馬を見て『え?』と驚く。

「軍馬スレイプニル!?」


 スレイプニルとは8本脚の巨大な馬の姿をした魔獣。

 機動力とタフさに加えて蹴りや突撃による攻撃力も高いことから、最強の軍馬として重宝されている。

 国から国に遠距離移動する高速馬車にも活躍しているが、それは要人専用馬車がほとんど。

 どんな理由か知らないが、魔獣なのに人懐っこいので獣魔術師に人気が高い。


 スレイプニルは貨物用の大きな荷車を牽いてきていた。

 でっっか。

 さすが、パワフルな軍馬だわ。

 御車をしていた男が降りて後ろの大きな扉を開き、一緒に木箱を次々と積み込んでいく。

「手伝います。」

 ケイト、ドール、アニスも一緒になって、バケツリレーよろしくセッセと積み込み。

 そのテキパキとした動きのかいあって、おかげで日が沈む前に終わる事が出来た。

「助かりました、ありがとうございます。」

 毒消し待ちという理由からか、男は礼を言うと急いで御車台に乗り、走り去っていった。

「・・・ねえ母さん。」

「何かした?」

「普通さ、迷宮で喰らった毒って、地上に出て陽の光を浴びれば浄化するんじゃなかったっけ?」

「それは暗闇に生息する魔物の毒のみに言える事よ。

 地上オープンフィールドに生息し昼間でも動ける魔物や自然災害に関する毒は、毒消しのポーションかキュア・ポイズン(解毒)の魔法が必須。

 ダリエンソ山に挑む冒険者や調査団なら事前に下準備してると思うけど、単純に数が足りなかったんでしょうね。」

 そういう事か。

 トラブルときって色んな場所で同時期に起きたりするけど、さすがにこれは・・・。

 杖とは無関係よ・・・ね。

 そう思いながらも、色んな出来事が続いているせいか、少し気になってしまうケイトであった。

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