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第11話(2)

 とある鍛冶屋の事務室では、納品後の伝票処理に追われていた。

 鍛冶屋では、午後に打ち、夜に冷やし、朝に出来栄えを確かめ、午前中に納品する。

 冒険者御用達の店に卸す剣類はもちろん、調理器具店に卸す包丁など種類は様々。

 城下町だけに頻度は低いが、鍬などの農機具も請け負う。

 そんな事務室に

「ジュドーさん、お客さんが見えてます!

 応接室に通しておきましたよ。」

 と声が掛かった。

「俺に客?

 分かった、すぐ行く。」

 応接室に入ると、黒衣の男エギルが立って待っていた。

 ジュドーを見ると深々と一礼する。

「先日は良い長剣をありがとうございました。」

 ベレッタ婆さんの占いに出てきた男か。

 ただの客にしか思えねえんだがな。

 まあ座れやと椅子に座らせ、コーヒーを出す。

 どうやらベティーが来る前に客として来ていた男らしい。

「言われた通りに作ったがあれで良かったのか?

 馬上剣とまでは言わねえが、あんなロングソード(長剣)より長い剣なんて使える奴いるのか?」

 馬上剣とは馬に乗ったまま人を斬る槍の様に長い剣だ。

 剣先も柄も長い為か、耐久性を考慮して製作する為、斬れ味はそれほど宜しくない。

 上手く扱うには、それなりの技量を要する特殊な剣と言える。

「長身痩躯なハイエルフが持つには丁度良いようです。

 大変好評でしたよ。」

「ハイエルフ・・・マハラティーニ国か。

 森に魔物でも出たのか?」

「理由まではお聞きしませんでしたが、凄腕の剣士が欲しがっていたようで。」

 話ながら、頂きますとコーヒーを口にする。

「で、今日来た用件は何だ?

 あの剣なら前金で貰ってたぞ。」

 ジュドーにそう言われると、エギルはカップを静かに置く。

「以前、ジュドーさんが仰っていたではないですか。

 商人なら、もしマハラティーニに赴いた時、何か気になった出来事があったら教えてほしいと。」

「・・・ああ、そういやあ言ってたな。

 なに、昔居たことがあるから少し気になってただけだ。

 何かあったのか?」

「ええ、色々ありますので、書面でまとめてきました。」

 ジュドーは差し出された紙を受け取り、コーヒーを飲みながら読む。

 そして、紙を持つ手がプルプルと震え出した。

「おい、この情報・・・!」

「貴方が一番知りたかった情報、ですよね?」

 馬鹿な、俺はこの野郎に杖の話なんか欠片もしちゃいねえぞ・・・!

「貴様、何もんだ・・・目的は何だ?」

 エギルは軽く微笑みながら、残りのコーヒーを口にする。

「私はしがないただのいち商人です。

 良き剣を作ってくれる貴方とは、今後とも良き関係でありたい。

 その為の対価と思って頂ければ。」

「何で杖の話を知っている?」

「お客様については個人情報なのですが・・・まあいいでしょう。

 長剣の納品先ですよ。

 ハイエルフの長剣の使い手フォージ。

 “たまたま”聞こえてしまったのですが、彼は邪教集団ラハブの教祖ゲールに仕える6人の側近の筆頭です。

 そこで彼らが話していた内容に、昔、とある冒険者たちに杖を“強奪させた”事を話していまして。

 その際に貴方の名前も出ていたものですから。」

 胡散臭え野郎だが、筋は通っていやがる。

 ・・・んん!?

 ちょっと待て、おい!!

「ゲールだあ!?

 ゲールっていったら、おめえ・・・!!」

「はい、彼は邪教集団ラハブの教祖であり、バージュ大聖堂の司祭でもあります。

 ちなみに彼は今、この国の寺院に来ていますよ。」

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