急展開
俺達はギルドから出て家へ歩いていた。日も暮れてバスを利用できないからだ。
先の戦闘で疲労が溜まっている足に鞭を打ちながら翔とアジュガに何故俺が戦っているときに普段とは違う様子で戦っていたのか、俺が戦う理由は何なのかを話し
しばらくとぼとぼと歩いていると、アジュガが口を開いた。
「あのさ、ちょっといい?」
「ん?いいよ」
「なんだ、どしたどした」
「今日の戦いで狼さんに助けられた時に、僕思ったんだけど、僕達ってあまりにも弱いよね…」
「うっ…痛いトコついてくるな…でもまぁ、そうなんだよな…」
「それな、俺もそれ思ってた!」
「そこでなんだけど、僕の知り合いの火星人のところを巡って修行をしようかと思うんだ」
「修行って具体的になにするんだ?」
「それはその…魔法とか、剣術とか…?」
とか…?って、そこのところあんまり考えていないのか…
口に出さずに軽くツッコミを入れていると、翔が問う。
「でもよ、地球人って魔法使えんのかよ?」
「使えない…」
「えぇ…ちょっと期待してた…」
ガクッと肩を落とす翔を慰めながら、どうでもいいことだがいつの間にかアジュガが翔に敬語を使っていないことに気づく。先の戦いで絆が深まったのだろうか。
「じゃあ、翔はどうすんの?」
「さっき言ったみたいに、剣術とか学ぶ…?」
翔のこと考えてなかったのか…またもや口に出さずにツッコむ。
「いや、俺は行かなくていいよ。修行とかだりぃ…」
「え、いやまぁ…お前が嫌なら無理に連れてくようなことはないけど…いいのか?」
「ああ。ここみたいに低レベルモンスターが多いところなんて他にそうそうないし」
「そうか…んじゃまぁ、お元気で…?」
「おまっ、なんで疑問形なんだよ」
クスクスと笑いながら言った翔は、突然右手の拳を突き出した。
「ま、俺達三人はどんだけ離れてようとココで繋がってんだろ!」
突き出した拳の親指を立て、胸へつきたてる。
ニカッと笑い、反対の拳を出す。
「だから、お互い死なねー程度に頑張ろーぜ!」
「…ああ!」
「うん!」
俺とアジュガの拳が、翔のそれと軽く衝突する。
コツ、と音を立てて誓ったこの繋がりは一生消えることはない。
そう感じた。
***
翌日。
母さんに許可を取り、旅立ちの用意をした俺達は早速コロニーを出ようとしていた。
早朝は気持ちの良い朝で、空気は軽く、これからの冒険を考えるだけで胸が騒ぐ。
「俺達なら…どこまでも行けるよな」
「うん、僕達なら、遠い宇宙の星にだって届くさ」
「…うし、じゃあ…気ィ引き締めて行くぞ!」
「おー!」
顔を出した朝日が、二人を祝福した。




