3
アイリス、シオン共に3歳になった。
アイリスは見た目は3歳児だが、中身は大人の様だった。皆が口を揃えて言うのは、『お嬢にそっくり!』だった。
シオンはアイリスの後ろをいつも追いかけていた。
「アーしゃんまってぇ」
今日も追いかけるシオンの声が響いていた。
「ねぇねぇ、シオン、今日は南の森に探検に行こうよ」
アイリスは悪そうな顔でシオンに言った。
「だ、だめ。かあしゃまがけっかいからはあぶないから、まだでちゃだめだっていってたよ。
おやくそくしたよ。」
「母様と私、どっちが大事なのよ!
もういい!一人で行くもん!シオンの意気地なし!大っ嫌い!!」
アイリスはシオンに文句を言ったら飛んで南の森に向かって行った。
シオンは涙を堪えながら追いかけていった。
「シオンったら、私の言う事だけ聞いてれば良いのに」
森の木の幹に座りプンプンに怒った感情を出していた。怒りの為後ろから襲ってくる魔獣に気がつくのが遅れ、攻撃は避けることが出来たが、幹から落ちてしまった。
「「………!!!」」
痛いと思ったのに、何かがクッションになっていた。それはシオンだった。
「シ、シオン!?大丈夫?シオン!?」
シオンの右腕からは血がドクドクと流れていた。シオンの意識がない!
アイリスは首から下げていた小瓶の蓋を開け中身を口に含みシオンに口移しで飲ませた。
飲ませるとシオンの体は光に包まれ光が消えると出血も止まり意識を取り戻した。
「アーしゃん?だいじょうぶ?いたいの?なかないで……」
「シオン!ごめんね!ごめんなさい!!」
大粒の涙を流しながらシオンに抱きつき謝った。
「なかないで。アーしゃんがしゅきだからボクのすべてをあげましゅよ」
シオンはアイリスの涙にキスをした。
「私もシオンが好きだから、いつも側にいてね。私以外好きにならないでね」
アイリスは小さな小さな声で囁いた。
シオンはアイリスが泣き止むまでずっと抱きしめていた。
疲れてその場で寝てしまった2人だが寝てもシオンはアイリスを離さなかった。
「困った子達ね……」
「そうだね」
アマリリスとカルミアは2人の寝顔を覗き込んでいた。
実は結界から2人が出た直後から2人を見守っていた。
「そういえば、この小瓶の中身はなんだったの?」
「世界樹の樹液だよ。アイリスは賢いけどお転婆だからね。必要になったら飲む様に言って持たせていたんだ」
「世界樹って…。まったく、親バカなんだから」
アマリリスはそう言いながら笑っていた。そして2人を連れ寝室に転移した。
「アイリスをシオンに取られちゃうわね、パパ」
「シオンなら良いさ。二人とも僕達の子供だからね」
「ふふっ、そうね」
嬉しくなって久々に四人で眠りについた。
今日も良い日だ!!
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誰もが今日も良い日だと思える日になりますように