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「母しゃま! 南の結界の側で赤ちゃんが泣いてましゅ!」
いやいや、貴方も充分赤ちゃんですよー。私の可愛いベイビー。
「カルミア!先に行って保護して!私もすぐ行くから!」
アイリスの言う通り籠に入れられた赤子が泣いていた。赤子は見事な金髪に碧の瞳を持っていた。
カルミアは着くと赤子を抱き上げた。
アマリリスはカルミアから赤子を受け取り、自身のおっぱいを飲ます。
赤子は勢いよく飲みだした。お腹空いて泣いていたんだろう。お腹いっぱいになるとうつらうつらと眠りについた。
屋敷に戻り、アイリスのベットに一緒に寝かせた。
赤子の近くに居た緑の妖精が、赤子が置かれた経緯を見ていたので、報告してくれた。
赤子は鎧を着た男性が籠を置き、女性と共に立ち去り、その二人を数人の男達が追いかけて行ったと…。
逃亡者?犯罪者では無いだろう。
鎧を着ていたと言うし、赤ちゃんの服とお包みは上等な布で作られている。
妖精達に頼んで他国の情勢を探ってもらう。特に赤子の事を…。
保護された赤子はシオンと名付けアマリリスの長男になった。
アイリスは弟が出来喜び、いつも側にいる。仲良し兄妹だ。
二人の専属侍女は私の侍女を務めてくれていた、リナリア。
リナリアは爺やと婆やの孫で元S級冒険者。愛しの子供達の守りはバッチリよ。
……と言っても領地には悪い奴が入れないように結界張ってあるし、カルミアもいる。リナリアは一人息子のスグリを連れて来ている。将来ベイビー達の従者にする為に一緒に教育するらしい。
アイリスとシオンは私のオッパイを一生懸命飲んでいる。
「可愛わねぇ、ねぇカルミア」
「可愛よねぇ、アマリリス」
2人してベイビー達の可愛さにメロメロだ。
「アマリリス様、そろそろ執務にお戻り下さい。後は私が変わりますよ」
リナリアがアイリスを受け取りゲップをさせる。シオンはカルミアが抱き上げた。カルミアは育児を私で経験済みだから安心して任せられるのよねぇ。
最高の旦那様でパパ!
妖精からの情報でシオンは遠国のハルシオン王国の赤子ではないかとの事だった。ハルシオン王国は先日王弟のクーデターで、国王一家と国王派貴族は皆殺しにされていた。もしかしたら王家に連なる者か高位貴族の赤子かもしれない。
シオンが成長して敵討ちしたいと言い出したら、私達は手助けしよう。今は大事な私達の息子なんだから。誰にもシオンに手出しはさせないわ。
今日も良い日だ!!
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