アマリリス誕生7
5年後、収穫率が前年の倍になった我が領地に王都から視察団がやってきた。説明してるのはリーダーのじいちゃん達。
「『連作障害』。同じ科目の作物を続けて育ててしまったために、病気が増えたり、うまく育たなくなったりする現象。
適当に好きな野菜を植えるだけだと、すぐに連作障害がでてしまい、一度障害が出てしまうとなかなか元に戻りません。それを防ぐために行うのが輪作ですじゃ」
「「素晴らしい!」」
視察団が説明を聞いて驚きまくってる
そうでしょう!領民達は凄いのよ!!
「これらを教えてくれたのはアマリリス嬢ちゃまじゃ!我が領地の嬢ちゃまは凄いんじゃ!」
いやいや、私じゃなく、行動してくれたみんなが凄いんだよ。私が教えたのは少しで、それを試行錯誤した皆んなが本当に凄いんだから!
「実際フラワーガーデン領地に来てみて素晴らしさを実感させて頂きました。
農業や温泉を使った保養施設、道路整備や自然との共有、いままで見たことも食べた事も無かった新しい食事!」
「今やフラワーガーデン領で保養するのが、ステイタスの証になってますからなぁ」
「商人達もこぞって支店や本店をこちらで出したがってますし、厳しい審査の中お店を出せた商店はフラワーガーデン領お墨付きで信頼を得てますからなぁ」
「ギルドもこの領独特の、自領で育てるシステムでしたな?
信頼できる者を育て、強者の冒険者となる。冒険者以外にもニンジャと呼ばれる影の隠密がいるとか、いないとか……」
使節団のリーダーはもちろんいるんでしょう?ってニヤけ顔を向けてくる
「さぁ?ニンジャなんて聞いたことありませんし…居たとしたら、変な事しない限りは無事に帰れると思いますよ」
忠告しながら笑顔で返すのが負けない秘訣よね。あまりに怖かったのか、話をガラリと変えるおじさん。
「あの変わった食べ物はアマリリスお嬢様が、一緒に開発されたと聞きました。あれは妖精界の食事がヒントになっているとか…?」
「そうです。妖精達が教えてくれた料理を元に改良、改善して作ってます」
さすがに前世の記憶とも言えないし、日本料理知らないしねぇ。温泉は疲れを取ってくれるし、元日本人としては露天風呂に入りたかったのよねぇ。温泉が出た日の感動は忘れられない!!
「1番素晴らしいのはトイレです!あの温水トイレはフラワーガーデン領にしかないものですよね!」
トイレって大事よね。だって汚かったり流せないなんて辛すぎる。
使節団はこの後1週間ほどフラワーガーデン領を堪能し、お肌艶艶リフレッシュして王都に帰り、フラワーガーデン領の素晴らしさを広める歩く広告になってくれました。
フラワーガーデン領周辺では潤いのある領地を狙い色んな国が何度も奇襲をかけてきているが、ことごとく、失敗している。この領の守りは冒険者ギルド、影の隠密ニンジャ、妖精達、妖精王、そしてアマリリスが居る。奪い取る事など不可能でしか無い。
働けば働くほど、頑張れば頑張るほど自分に返ってくる、この領地に移り住みたいと思う者が周辺の領地にどんどん増えてフラワーガーデン領の周辺もお零れを貰って潤う。良い循環がされている。
領土を大きくしたいわけでは無いアマリリスは元々居た領民を一番大事にしている為、無闇に領民を増やす事はしていない。
「お嬢!美味しい水桃が取れたから後もってくなぁ!」
「ありがとう!楽しみにしてる!」
優しい領民達を守るため今日もアマリリスは頑張るのである。
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毎日暑いですね。体調壊さないように水分補給してくださいね
今日も良い日だ!!