6.ゴブリンと結界術について。
6話になります。よろしくお願いします。
6.ゴブリンと結界術について
ゴブリンの村を見つけてしまった。どうしよう?
「ゴブリンって洞窟に住んでるのかとおもってた...」
注意深く村の様子をみてみる。
見えるゴブリンの数は30匹ぐらいで、すべて1メートル前後の大きさだ。
一度家に帰ってよく考えよう......。
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「なんとか帰ってこれたか。」
川のそばを歩き、目印をたよりに家へ帰ってきた。
空模様は少し日が落ちてきていて後1時間もすれば夕方になりそうだ。
まずはやることをリストにするか。
結界術の射程距離、より細かい条件はどこまでいけるのか。そして他にはなにか応用できないか。
ゴブリンの村をどうするか。
ゴブリンを普通に倒していたが、そもそもこの世界ではゴブリンは駆除対象なんだろうか? 地球にあった漫画などでは、ゴブリンは亜人の一種とされ人との交流がある作品もあった。
体に魔石がある人種の可能性。
でもゴブリンってグギャグギャとしか言ってなかったよな? 俺には言語理解のスキルがあるから、もしゴブリンが意思疎通できる存在なら、なにか意味のある言葉になっていたはず......。
うーん。
この問題はそもそもここに一人でいる限り解決しない問題だし、考えるだけ無駄だな! 村や町にいって知識を仕入れない限りわかりっこない問題だ。
じゃぁどうするか。ここには少なくとも、俺一人しかいない。つまり自分で考えるしかない。 襲われたから倒す、それでいいか。
ゴブリン=悪。そう簡単に考えていた。
次は結界術の確認か。
まずは射程距離だな。
家のある庭のような広場は、家の正面から森まで100メートルぐらい、家から左右の森は50メートルほど、家の裏から森へは30メートルほど。
さっき倒したゴブリンは50メートルほど離れていたから、50はいける。
なら家の正面の木に届くかどうか。
家の正面に立ち、森のほうへ向き、100メートルほど先の木に意識を集中する。
右手を前にだし念じる。
『起』
「お? いけたな。」
森の手前の木に結界が見える。
MP 53/58
消費は5か。今回つくった結界の大きさは、2×1メートルだから、距離で消費MPに変わりはなしか。
この距離でも行けるならひとまず安心だな。
『消』
とりあえず消しといて。
見える範囲だからいけるのかな? なら見えない位置ならどうだろう。
家の中のリビングの机の上をイメージし。
念じる。
『起』
「ん、なんだこの感覚。」
なんとゆうかコップを取ろうとしてつかみ損ねた感じとゆうか。なんとゆうか。
スカったかんじ。
家の中に入り、確認しよう。
「なにもないな。」
つまり見えないところには無理ってことか。
次は結界の条件どんなのがいけるか、と応用か。
今わかってるのは、空気を通すかどうか。と切断する能力か。
あると便利なのは、何があるかな。
思い付くことをやっていこう。
結界術......魔法......詠唱?
詠唱か、今は結界術をつかうときに詠唱っぽいものを唱えているが、声に出さなくても使えるのか?
右手を前にだして、足元に10センチ四方のキューブをイメージする。
むっ。
「いけたな。」
けっこう自由度が高いのか? 詠唱無しでいけるなら。魔物に気づかれることもないだろう。
あとは結界って見えにくいから色でも付けてみるか?
わかりやすく赤でいってみよう。
先ほどだした結界の横に同じ大きさのイメージをして。
...うん。赤いな。
色もつけることができると...
けど色を付けたら見えやすくなるだけで、そのほかにメリットがなさそうだな......。
あとは魔法っぽく属性をつけてみるか?
赤...火の属性をつけるイメージで。
「赤いな。」
さっき出したのと違いがいまいちわからない。 触ると熱いとか?
おそるおそる手を出してみる。
?!
温い......これはカイロっぽい。寒いときには便利そうだ。
でも、持ち歩きができなさそうだ......これもイメージか?
基本、結界はその場に固定されていて動かない。
試してみる。作った結界を動かせるイメージをして。
念じる。
目の高さに結界をだす、重力で落ちたりはしないか。
結界を触ってみる。
「普通に手に持てた......。」
手の中に10センチ四方のキューブがある。
ここで手を放したらどうなるのかな? 結界から手を放してみる。
「普通に落ちたな。」
つまり、動かせる結界を出したときは、固定されているが、一度触れると重力が働く。
あとは、手を使わずに動く結界を出せるか?
手を使わずに考えるだけで動かせる結界をイメージして。
念じる。
「ふむ、ひとまず結界はできた。」
あとは考えるだけで動かせるか。結界が右に動くイメージをする。
「おぉ、動く。」
頭で考えたように結界がスイスイ動く。MPを見てみるが、動かすことでMPは消費しないようだ。
楽しい。
でも、結界を動かせるとしてどう使う? 棒状にして殴るとか? 剣があるし剣のほうがいいな......でも魔物に近づきたくない。
部分的に結界を纏って防具みたいにする? とっさに結界で自分を包んで身を守るのはありかもしれないが、防具みたいにつけても意味はなさそうだ。
あとは結界に乗って足場にする...? これはいいんじゃないか?
遠距離手段のない相手には無双できそうだ。それこそ今回のゴブリンとか。
試してみるか。
膝の高さぐらいに地面に広く1メートル四方ぐらいの結界をイメージして。
念じる。
うん、できた。あとはこれに乗ってみる
「よいしょ。」
乗ることはできる、でも足元が透けて見えるのは怖いな。慣れるしかないのか、それとも色をつけて透けないようにするか。
ジャンプしても大丈夫かな...? 高いところで壊れたらやばいし、今確認しとこう...。
「ジャンプしても耐えれるぐらいの耐久度はある...と。」
これを階段状にして上ってみるか。
ふん、ふん。
結構高いとこまできたな...。
高さはマンション3階分ぐらいか?
怖いな......
この高さになると足元が透けてるのはすごくこわい。降りよう。
あぁ、地面って素敵。
とりあえず今まで出したの全部消しておこう...。
移動できる結界、乗れる結界。これはもう乗って移動するしかないのでは?
まず、膝の高さに魔法の絨毯のように広く、色も青くした結界を作る。
「ふむ、青くすると。薄く地面が見えるから、これなら高くなっても行けそうだな。」
とりあえず乗ってみる。
「しっかり乗れるな。」
結界に座り。自転車で漕ぐぐらいのスピードで前に進むように考える。
「お、おおぅ。」
音もなく進むのは変な感じだ。広場を進む青い板の結界。
風が気持ちいい。上昇もしてみよう。
「おー。」
いい景色だ。ちょっと前に見つけた、世界樹っぽいでかい木に夕日がかかってすごく綺麗だ......
「ここに来れてよかったな...。」
今日はもう食事してお風呂入って、寝よう。
高度を落とし、地面に降りる。
結界を消してっと。
家に入る前に洗濯物を取り込んどかないと。
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食事とお風呂が終わり、あとは寝るだけになった。
「寝る前にちょっと試すか。」
結界の持続時間だ。自室の机の上に結界のキューブを出す。これで寝てる間も結界が持続するのかどうかがわかる。
「後はあのゴブリンはどうしようか。」
正直、結界で上空にあがりそこから結界で全部倒せそうではある。
倒す理由はあるかな? ゴブリンの村は家から4~5キロほどだし、近いといえば近いし、遠いといえば遠い。微妙な距離。
後単純にレベル上げになるかもしれない。
後々襲われるのが嫌だし、倒そう。
決めたならもう寝よう。おやすみなさい。
頑張れ、明日の俺。
名前:ケイ 15歳
LV 3
HP34/34 MP58/58
体:17
力:10
魔:24
守:7
速:14
スキル 言語理解 結界術Lv1
お読みくださりありがとうございます。
ちまちまと続きを書いていきますのでよろしくお願いします。