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結界術師になりました。  作者: カロ。
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56.依頼の選択。

56.依頼の選択







「取り合えずダンジョンの依頼を受けるのは構わないな?」


ルガードはそう言いながらみんなを見渡した。


「えぇ、構わないわよ。」


「そうですね。」


「ふんふん。」


ルガードに問いかけられみんなそれぞれ返事をする。フェイとアキリスは普通に返事をしたが、ネレはさっき届いた食事を口に含みながらだし、ドリスはいつも通り無言でうなずくだけだった。


「んじゃ何の依頼受けるか決めるか......。っていってもケイはまだまだ冒険者になって日が浅いから普段俺らがいる75階層に行くわけにもいかねえな。」


「そうねぇ、でもせっかくダンジョンへ行くなら50階層から上は見せておきたくない?」


「そうですね、一度経験するのもいい事だと思います。」


主に話し合っているのはルガードとフェイとアキリスだ。ネレは食事中だから混ざってないだけかもしれないが。ドリスは無口な方だし、基本この3人が主動で動いてる感じかな...?


「そうだなぁ、それじゃぁ40階層ぐらいから始まって55階層で外へ出るようにするか。」


「えぇ、それでいいんじゃないかしら?」


「はい、妥当だと思います。」


依頼を決めるといって始まった話しあいだが......実際は5分も話し合ってないと思う。パッパっと話し合いは終わった。


「ケイもそれで構わないか?」


「俺はよくわからないから任せるよ、ただなぁ......。」


「何だ?」


「俺に合わせていつもよりランクの低い依頼を受けるんだろ?何だか悪い気がしてさ......。」


ランクの低い依頼って事は依頼料も少なかったり、やりごたえもなかったりでルガード達にメリットが無さ過ぎるから気が引けるんだよな......。


「あー、その辺は気にするな...って言っても難しいか?」


「まぁ......そこまで甘えていいのかなって思っちゃってさ。」


「ケイってば律儀なのねぇ。私なら得した気分になるぐらいだわ。」


「そうですね、冒険者にしては珍しい考えかもしれないですね。」


そうなのかなぁ? でも......言われてみれば前世で読んでた物語系では冒険者といえば粗暴で野蛮な書かれ方が多いからな...それに比べると俺の考え方って繊細過ぎるのかな? でも異世界に転生してから出会った人達って全員まともな人ばかりで、まだ野蛮な人に出会ったことがないんだよなぁ。


「そうだなぁ、何も別に俺達は優しさや甘えだけであれこれしてるわけじゃねえ。ちゃんとこっちにも得になる事があって世話するんだ。」


「得になる事?」


ちゃんと考えがあるのか...?


「前に歳をとった冒険者が村や町にいって後進を育てるって話しをしたよな?」


「あぁ、確かにそんな話を聞いたな。」


引退間近の冒険者が村にいって若い連中に知識を教えるって話しだったよな?狩り方とか薬草の摘み方とか。


「俺達がこうやってケイに対してすることも同じように後進を育てるためだ、まだ俺達は引退するには早いが後進を育てるのに早い遅いは関係ない。機会があれば下の者を育てるのは先に立つ者のつとめだ。」


「なるほどなぁ。」


「俺達がケイの世話をして、ケイがいつか誰かの世話をして。そうやって冒険者の知識ってのは受け継がれていくんだ。」


ふむ......。冒険者ってもっと適当に生きてるイメージだったけど、想像よりはるかにしっかりしてるんだな。まだまだ先の話しだけど、俺もいつか誰かに自分が経験したことを受け継いでもらう日がくるんだろうか? 想像できないな......。


「まぁそういう事なら、お言葉に甘えようかな?」


「おう、そうしろそうしろ。んじゃ依頼受けにいくか、ケイもついでだしどうやって受けるか見ていくか?」


「あぁ、見に行くよ。」


「私はここで待ってるわ。」


「私もここで待っていますね。」


「ひってらっふぁーい。」


みんなに見送られてルガードと一緒にギルドの受付に行く。

受付は全部で5つありその内3つ、受付嬢が座っている。彼女たち受付嬢はやはり容姿も採用基準になるのか、3人とも綺麗系だったりかわいい系などタイプは違うがそれぞれ美人だ。


ルガードは受付嬢がいる3つのうち一番右へ歩いていく。


「おはようございますルガードさん、依頼の案内でしょうか?」


「おう、おはよう。そうだな......今回はダンジョンの40階層から55階層まででいい奴をいくつか頼む。」


「はい、では少しお待ちください。」


話しが終わると受付嬢の人がファイルみたいなのを取り出して調べものをし始めた。


「気になる事があるならどんどん聞いてくれよ?」


受付嬢と話し終わったルガードが手持ち無沙汰になったのか聞いてくる。


「そうだな......依頼の案内って言ってたが掲示板から探さないのか?」


受付から振り返りながら掲示板を指さす。

依頼を受けると言えば依頼掲示板から選んで受けると思ってたが、ルガードが一直線に受付まで行ったのが気になったので聞いてみる。


「あー、うーん。そうだなぁ......。」


何か言いづらいのかルガードが唸っている。


「掲示板にはってある依頼って言うのは、案内する必要のないランクの低い依頼しか張り出してないんだよ。」


「ふむ?」


「ケイも見たと思うが。薬草の採取やオークの肉を取ってくる奴とか、駆け出しや中級者になり立てぐらいのやつがよく受ける依頼を張り出してあるんだ。それにあそこに張り出してあるやつは依頼期間が無期限で納品の数も制限がないのがほとんどだったろ?」


「たしかに?」

言われてみればそうだったかも? 薬草とかも納品する数は制限されてなかったし。オークの肉も100キロまでと制限はされていたが、それもよく考えれば1パーティー単位での制限だったのか。


「昔はどんな依頼を受けるにも並んでたらいしぜ? でもそうすると受付業務が忙しすぎるからな、依頼掲示板に常に張り出しておく事で負担を減らしたってわけだな。」


なるほどなぁ、この街にどれだけ冒険者がいるかわからないが、その全部を一つのギルドの数人しかいない受付で対応するのは激務になりそうだもんな......。


「それじゃぁ受付には掲示板に受けたい依頼が無い場合に話しに行く感じなのか?」


「そうだな。そんな感じだ。」


ふーむ、色々考えられてるんだなぁ。


「お待たせしました。今ご案内できる依頼はこちらになります。」


話しが途切れたタイミングでちょうどよく依頼の選別が終わったようだ。


「おう、ありがとよ。ケイも一緒に見ろよ?」


「あぁ。」


ルガードと一緒に差し出された依頼表を見る。全部で5つか......。


1枚目は40階層以上から生えているリリノ草の採取、根っこから掘り出して10本で金貨1枚。

薬草にしては買取価格が高い気がするが......40階層まで行ける人が少ないのと薬効が高いから、それに合わせて値段も上がったのかな?

とゆうかダンジョンって50階層から外の様な景色になるんだよな?50階層までは石造りのダンジョンのはずだけど.....どこに薬草が生えるんだろうか......不思議だ。


2枚目は35階層以上から出るオーガの魔石と角と爪、3つで1セットとして銀貨50枚。1セットから上限は無しで持ってこれるだけ買い取ってくれるらしい。


オーガと言えば前世では鬼みたいな見た目で描かれることが多いが......異世界ではどうなんだろう?トラ柄のパンツをはいてたりするのかな?


3枚目と4枚目は護衛依頼だ。


1つは商家の息子に見聞を広げるために45階層から50階層までの護衛と書かれている。報酬は金貨10枚。この依頼は今回俺がダンジョンへいく理由とほぼ同じだ。

俺も同じように冒険しつつも知らない事を教えてもらうために今回ダンジョンへいく。


もう一つはダンジョン研究会という国家事業なのか民間事業なのかはわからないが、名前の通りダンジョンを研究しているグループの人達の護衛だ。

依頼内容は45階層から50階層への道中安全に調べられるように護衛をしてほしいと書いてある。報酬は金貨5枚とさっきの商家の息子の護衛依頼に比べると依頼料が少ない。


5枚目は50階層以上から出るエリアボスの討伐だ。討伐した場合金貨30枚、そこからドロップした素材の売却額が上乗せされる形らしい。


階層ボスって言うのは何なんだ? 5階層ごとにいるボスとは違うのか?


「ルガード、このエリアボスって言うのは何なんだ?」

分からない事がルガードに聞こう...。


「ん? それか? ふむ......ケイは5階層ごとに上位魔物のボスがいるのは知ってるよな?」


「あぁ、一応5階層までは行ってるからな。」


「5階層ごとにボスがいるのは50階層から先でも変わらないが。50階層からは1階層ごとに5階層ごとのボスとは別にエリアボスと呼ばれる魔物がエリアのどこかにいるんだ。」


「ふむふむ。 50階層からは強い魔物がさらに増えるのか......。」


「あぁ、だが5階層ごとにでてくるボスとは違って倒す必要もないし避けて次に進む事ができるんだ。」


「それって倒す意味あるのか?」


「エリアボスは自分より下位の魔物を纏めるっていう行動を起こすから討伐が推奨されているんだ。さらにエリアボスはドロップ品の素材が高価なのと、高確率で装備をドロップするんだ。」


「装備をドロップ? 魔物から装備が出るのか......?」

ゲームでは普通にある設定だけど、異世界でも装備ってドロップするのか......。


「何がでるかは完全に運だけどな。防具のどこかが出るときや、武器も出たり。珍しいときは魔道具とかも出るな。」


「へぇ......それってやっぱり普通より強かったりするのか?」


「あぁ、もしドロップしたのがただの鉄の鎧でも魔法効果が付いていたりするんだよ。ケイのその革鎧に付いてるような洗浄だったり、硬化だったり。色んな効果が付いてるんだよ。」


「ほうほう......ん...。でもそれってダンジョンでだけ装備が落ちるのか?」

普通の外って言い方がおかしいかもしれないが、外でもドロップするんだろうか?


「いや、外でも普通にドロップするぞ。ただまぁ......特別な魔物だけだな。それこそ二つ名が付くような魔物が装備を落とすぞ。」


へぇ......なんだか夢が広がる話しだな......。それにちょっと憧れるな...二つ名装備か......。


「あのぉ、そろそろ依頼を決めていただけるでしょうか?」


受付嬢の人が申し訳なさそうに話しかけてきた。どうやら話し込みすぎたようだ......。


「おっと、すまねえな。 うーん......そうだな、今回は依頼は無しでいいかな。のんびり普通に倒した分の素材売却だけでいいか。」


特にこれといった依頼が無かったのか、ルガードは依頼を受けない判断をしたようだ。


「すまねぇな時間取っちまって。」


「いえ、大丈夫ですよ。またのお越しをお待ちしております。」


話し終わったルガードが受付から離れていくので後を付いていく。


「依頼受けなくてよかったのか?」


「あぁどれも特にいい依頼じゃなかったから、受ける位なら普通に魔物を倒したほうが余計な事考えずに楽だと思ってな。」


ふむ、まぁたしかに?依頼の事を考えて動くのと。他の事を気にせずに動けるのでは違うか......。


「おかえりなさい。何か受けたの?」


酒場の席に戻ると雑談を止めてフェイが話しかけてきた。


「いや、いい依頼が無かったから受けなかった。だからまぁ普通にダンジョン潜る時の準備を頼む。」


「分かったわ。それじゃぁ私とネレで食料品を買ってくるわ。」


「それでは私とドリスで雑貨を見てきますね。」


「おう、頼むぞ。俺はケイとちょっと訓練所に行ってくる。」


「えっ!?聞いてないんだが?」

なぜ訓練所なんだ......?


「前にオークの巣に行ったときと違って今回はちゃんと全員で動くからな。ケイのスキルの強さを見ておきたいんだよ。」


なるほど......? わからなくもないな。それに俺もルガードにどこまで結界術が通じるか気になる。


「そんじゃ行くぞ。」


ルガードがギルドから外へ歩いていくので慌てて付いていく、フェイ達は既に買い物に出かけたのか酒場からいなくなっていた。








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