54.護衛依頼の終わりと次の冒険。
54.護衛依頼の終わりと次の冒険
「そうか、それで収穫祭中に護衛をしてたわけだ。」
「うん、初めての護衛依頼だったから大変だったよ。」
「今回の依頼は人の護衛だろ? 今度は馬車の護衛依頼でも一緒に受けるか?」
「そのうちね......今は取り合えずのんびりしたいよ......。」
クラリエさんへの報告が終わった後すぐに寝て2日目が終わり、3日目はチンピラに絡まれることなく普通に収穫祭を楽しみつつ護衛をして、夕方頃には屋敷に帰ってクラリエさんに報告してから報酬の金貨30枚を貰い、もう一泊させてもらって護衛依頼が完全に終了した。
護衛依頼が終わってからいつもの宿へ行き1日のんびりしてから、そろそろ収穫祭中に教えてもらった牧場へ行きニワリーでも買おうかと思っていたところルガードに出会い、酒場で食事をしながら近況報告をしていた所だ。
「ルガードの方こそ収穫祭の間は何してたんだ?」
「俺か? 俺は酒飲んで飯食って寝て過ごしてたな!」
「そ、そうか......。」
ルガードが豪快にガハハと笑っている。
「他のみんなはどうしたんだ?後からくるのか?」
今はルガードと俺と......クスラがいつも通り頭の上にいて......の3人?だけだ。
「フェイ達か? あいつらなら休暇を楽しんでるんじゃないか?収穫祭中は依頼を受けるのをやめて、各自好きなように過ごそうって決めたからな。」
「そうか......。」
お祭り中は冒険者も休むんだなぁ。
「まぁでも祭りも終わったし明日あたりには何か依頼を受けて行くつもりだが......ケイもどうだ?この間のオーク討伐依頼で一緒に行動してパーティーでの依頼がどんな感じかわかったと思うが、そろそろ次の依頼もいってみないか?」
お酒をグイっと飲みほしてルガードが聞いてくる。
そうだなぁ、確かにルガード達のパーティーに入れてもらったんだからそろそろちゃんと一緒に行動するべきなんだろうな......。なんだかんだ言って今まで別々で行動してたからな...。
まだ野営や冒険者の事について知らない事が多いいが全部調べてから行くようなものでもないし、ルガード達と一緒に行動する中で学んでいければいいなぁ。
「次の依頼か......次に行くとしたら何にするんだ?」
「うーむ、そうだな......ダンジョン系の依頼を受けるか。」
「ダンジョン......俺まだ5階層までしか行ってないんだけど?」
「あぁ、だが俺たちと一緒に行けば俺らが到達している階層まで一緒に行けるから大丈夫だ。」
「いや、でも流石にいきなり75階層だっけ?そんな深い階層はいけないぞ?」
「さすがにいきなりそんなとこは連れて行かねえよ。けど、そうだなぁ30階層ぐらいならいけるんじゃないか?」
30階層......ルガードがいけるって言うんだったら行けるんだろうけど......。
「まぁどっちにしろ明日にでもみんなでまた相談して決めよう、でも一応そのつもりでいてくれ。」
「了解。」
明日か......。今はだいたいお昼少し過ぎたぐらいだから...先にニワリーを買いに行きたいな卵は欲しい。今からいって夕方頃向こうについて...んで明日の朝またこっちにくればいいか......?
「あ、ダンジョンに潜るのに必要な準備とかしといたほうがいいのかな?」
「あ? あーそうだな......いや、明日になんねぇと結局分かんねぇことだから、ダンジョンに行くことになっても準備する時間は作るさ。」
時間は作ってくれるのか......まぁどっちにしろ一度村に帰りたいし今日はもう行くか。
「それじゃぁ、今日やる予定だった事をしてくるよ。明日の朝、また集合すればいいだろ?」
「そうだな、何かあれば連絡する。」
酒場の席を立つついでに話しながらつまんでいた唐揚げっぽい物を二つちょちょいっと口の中に放り込み食べる。
「ほじゃ、またあひたー。」
口の中に食べ物が入っていてうまく話せなかったが伝わっているだろう......。
後ろ手にルガードへ手を振りながら冒険者ギルドの酒場を出る。酒場を出た所でこの間もらった簡易な地図をアイテム袋から取り出し、眺めながら歩き出す。
何羽ぐらい買おうかなぁ?
---------------------------------------------------------
地図の通りに進むと、前回クスラを従魔登録した牧場についた、やっぱり同じ所だったか......。
牧場の受付で要件を話した所、出店で話していた男性に取り次いでくれてそのままニワリーの買い付けをお願いした。
牧場内には牛に似た動物に鹿の様な動物、羊みたいな動物と前世で見たような見た目の動物が多かった、ただ少し違うのは角が生えてたり、ひげが生えてたり。色が違ったりと、見た目は見たことないのばかりだった。
魔物のドロップしたお肉だけじゃ供給を満たせないから家畜はいるとは思っていた......が、不思議な見た目だったな...。
そんな多種多様な動物を見ながら牧場内を歩いていくと端の方に小学校などにあった鶏小屋のおっきい版みたいなのがあった。そこでニワリーを飼育しているようだ。
「これが卵を産むニワリーですね。何羽にしますか?」
全長数百メートルはありそうな鶏小屋の中にはニワリーが数えきれないほどいた。しかもニワリーって......めっちゃでかい。一匹の大きさが小学生高学年ほどの大きさがある。1メートル30~50ぐらいだろうか。
「そうですね......無理のない範囲で売ってほしいんですが、ニワリーって一日に何個卵を産むんですか?」
「見てみますか?きっと産んだばかりのがあるはずですから。」
そう言って案内してくれていたここの牧場主、ロンドさんが鶏小屋に入っていくのでその後を付いていく。
ニワリーは人に慣れているのか騒ぎ出すことなく大人しくしている。
「お、ほら。あそこにあるのがニワリーの卵ですよ。だいたい一日にこのぐらい産みますね。」
干された草がひかれた中、少しくぼんでいる所をみると前世でもあったような卵が5つあった。
色も大きさも前世であったような卵と同じでそこまで違いは無い様だ。
「この5つは1羽が産んだんですか?」
「えぇ、毎日5つは産んでくれますね。」
ふむ......たしか前世では鶏って一日でひとつだったよな?異世界では体が大きいからその分沢山産むってことなのかな?
たしか村には50人ぐらい人がいたから単純に考えるならニワリーが10羽いれば全員が毎日ひとつ卵を食べられる。だけどそれだとぎりぎりなのでニワリーが死んだり何かの要因で卵を産まなくなると数が足りなくなるので、できれば倍はほしい。つまり20羽は欲しいな。
「20羽ほど欲しいのですが、大丈夫ですか?」
「えぇ大丈夫ですよ。どうやって運びますか?」
「あ......。考えてなかったな...。」
まずい......買う事ばかりで運ぶ事を考えてなかった。しかも運ぶのは無機物じゃなくて生物だ...。なにかそれ専用の馬車でも買わないとダメだろうか......?
「この辺で荷車を売っている所ってありますか......?お恥ずかしい話しですが買う事ばかりで運ぶ事を考えていなくて......。」
「ほほほ、そうゆう事もありますあります。そうですね......ちょうど少し古くなった荷車が私の所にあるのでどうですか?お安くしときますよ?古いと言ってもまだ十分数年は使えますし」
ふむ......まぁいいか、買いに行くのも時間がかかるしここは甘えよう。
「じゃぁお願いできますか?」
「はい、では受付の方へ行きましょうか。準備致しますので少しお待ちください。」
「わかりました。」
ロンドさんの後を付いていき来た道を戻っていく。
今は夕方になるちょっと前ぐらいかな?夜になる前にには村に帰れそうだな。
----------------------------------------------------
「ありがとうございましたー!」
牧場での買い物を終えて外にでる。ニワリー20羽に荷車を合わせて金貨10枚だった。
生き物を飼うにしては安い気がしたが......こんなもんなんだろう多分。
馬がいないので荷車は手押しのタイプだ......運ぶ事の全てを考えていなかったので当然運ぶための生き物の事も考えてない。
まぁ結界で囲えば飛んで村まではいけるから、街を出るまでの辛抱だな。
ニワリーは柵が付いた荷車にどうやって詰め込まれたのかぎゅうぎゅうではあるが何とか収まっている。
後、運搬の際に暴れないように、運搬する時用のお香みたいなのを焚いてニワリーは全て眠っている。
んじゃ、行くかー!
-------------------------------------------------------
「おお!ケイ殿......それは...?」
荷車を結界で少し浮かせる事で実質重さをゼロにして街の中を運んだ。街中でスキルを使ってるのがばれたら怒られそうだが、そのままだと荷車が重かったので許してほしい。
街をでてすぐに結界で荷車事飛んですぐに村へ帰ってくると、ちょうど村長に出会ったのが今って感じだ。
「それはニワリーかの?」
突然現れた荷車にぎゅうぎゅうに詰まったニワリーをみて驚いていた村長も落ち着いたのか話し始めた。
「はい、食事環境を少しよくしたくて。」
「ほほ、それはいいのう。」
「端の方に柵と小屋を作って、飼育小屋を作りますね。お世話は任せたいんですが大丈夫ですか?」
「うむ、ちょうどいい者がいたはずじゃ。」
「よかった......じゃぁ取り合えず小屋作ってきます。」
「いってらっしゃいなのじゃ。」
買ってきてからだけど飼育してくれる人とか先にお願いしておくの完全に忘れてた......ダメだな...今回俺は先走りすぎた気がするなぁ。
思ったよりも食事の種類が一定だったのがストレスだったのだろうか?
いっその事もっといろいろ買ってきてみるか...?
まぁいいか取り合えず暗くなる前に小屋を作ろう。
------------------------------------------------------
「こんなもんかな?」
前世の小学校とかにあった鶏小屋の少し大きい版が完成した、家を作った時と同じで山積みにした素材に錬金スキルで構築して一気に作り上げた。
途中でニワリーの世話をしてくれる人が村長に連れられてきて一緒にどうすればやりやすいかを話しながらちょこちょこ手を加えて完成だ。
ニワリーは既に小屋の中へいれて放置してある。牧場から運んでくる時につかったお香みたいな薬は明日の朝には効果が終わるそうなのでこのまま放置でいいらしい。
後、ニワリーの餌だが畑でとれる野菜の今まで棄てていた部分に普通に食べれる野菜も少し加えて与えるといいらしい。お世話をしてくれる人がそういってた。
あまりよくないかもしれないが、後は丸投げだ。まぁニワリーを買ってきて村長や帰ってきてから出会った人はみんな喜んでたのでいいだろう、そう思う事にする。
明日はルガード達と次の依頼を選ぶ日だ、ダンジョンに行くかもって言ってたし今日は早めに寝よう。
『クスラ、家に帰るよ。』
『はーい』
ニワリーをツンツンつついてたクスラを持ち上げて小屋を出る。
明日が楽しみだなぁ。




