エム様登場
「ですから。エム様をエムっちなどという不可解なあだ名で呼ぶのもやめろと…」
と、ヒカルが説教を言い終わる間もなく白い世界中に何者かわからぬ声が響きはじめた。
「おっと、光。君まで私のことをあだ名で呼ぶようになったのかな?」
少し高めの男性…?
いや、低めの女性?
老若男女問わずわからない声色がどこからともなく響いてくる。
「えっエム様!?あ、いえ!?今のはコウの言葉を叱っていただけでしてっ…」
「ふむ、叱る…というのは何故だ?まさか煌が何か悪いことをしでかしたとでも?」
「ぐすんぐすん、僕何もしてないのに光がぁ…」
「は、はぁ!?」
その煌の言葉に慌てふためくヒカルは見ていて少し面白い。
エムと呼ばれたその声も愉快そうだ。
「ほう、よくわかったな迷い人よ。」
「!?」
まさか…心が読まれた…!?
果たして本当にそんなことがあるのか。
いや、おそらく無意識の内に口に出していたのだろう。
「んなはずがないだろう。迷い人。鈍感にも程があるぞ。」
うわ…やっぱり読まれていたのか。
「うわとはなんだうわとは。」
そんなエムの声は私の耳には届かず私の心はどんよりと暗く沈んでいた。
「鈍感……か。」